研究課題/領域番号 |
22K03017
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研究機関 | 岩手大学 |
研究代表者 |
鈴木 護 岩手大学, 人文社会科学部, 准教授 (10356214)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 活動量計 / 欺瞞 |
研究実績の概要 |
本研究は、日常生活に近い場面で発生する欺瞞や欺瞞検知を、活動量計を用いた侵襲性の 低い形で測定することにより、既存の研究よりも妥当性の高い知見を蓄積することを目指す。これまでの生理指標を用いた欺瞞生起時の生体変化に関する研究は、測定装置の装着のために体動が制限されたり容貌が普段とは大きく異なったりしてしまっていたことから、生態学的妥当性の高いコミュニケーション場面での測定とは言い難い点が問題となっている。それを解決してより日常生活に近い場面において、実験参加者とコミュニケーションの相手に違和感のない状況においで生起する欺瞞と、その際に測定される活動量計指標を観測することを企図している。 研究は大きく三つの実験から構成される。本年度は第一実験として、活動量計を装着して普段通りに生活する中で、装着者が欺瞞を発した際に生起する活動量計指標の変化を測定した。 複数の活動量計を用いた測定から、現在のところ欺瞞生起時特有の顕著な変化の観測には至っていない。これは各機器の精度、特に時間分解能が十分に高いとは言えないことが問題点として考えられる。一方で、欺瞞生起時の前後どの程度の時間間隔で指標に変化が現れるのか、既存の研究結果を踏まえてさらに詳細な検討が必要である。また、日常生活場面では、会話や体動などの様々な影響が活動量計指標に及ぶため、それらに対しても効果的な統制方法を検討する必要が明らかとなった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
当初想定したような顕著な変化の観測に至らず、データ収集や分析方法を変更する必要が生じたため。
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今後の研究の推進方策 |
日常生活場面における欺瞞生起時の活動量計指標変化の測定については、実験室実験の知見を基に方法を改善することとする。そのため、当面は実験室実験を優先して遂行する。
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次年度使用額が生じた理由 |
本年度は実験を遂行しつつ、その成果に応じて予算執行を進める予定であった。しかし、想定どおりの実験結果が得られなかったため、執行計画を見直して導入する活動量計を精査した。次年度は、繰り越した予算も含めて新たな機器導入を予定している。
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