研究課題/領域番号 |
22K03019
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
礒部 智加衣 千葉大学, 大学院人文科学研究院, 准教授 (20420507)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 集団認知 / アンサンブル表情顔 / 受容と排斥 / 脅威状況 |
研究実績の概要 |
大学生・大学院生を対象に実験を行った。存在脅威状況(vs.統制:被験者間)を操作したのち、アンサンブル表情顔の認知課題を行った。課題では、画面に呈示された6つの顔に含まれる表情顔(脅威もしくはリラックス)の個数を操作した(表情顔:ニュートラル顔6:0/4:2/3:3/2:4/0:6)。顔セットを500ms提示後、集団の雰囲気を7段階で評定してもらった(全90試行)。分析を行った結果、脅威顔の個数の主効果、脅威顔の個数と条件の交互作用が有意である傾向にあった。脅威顔3と脅威顔2との差を除き、すべての個数間で差が認められた。交互作用の単純主効果について有意な差は認められなかったものの、脅威顔6において、統制条件よりも脅威条件で雰囲気が悪いとより評価される傾向がみられた。なお、統制条件よりも脅威条件において、危機感を感じ、集団同一視が低いことが確認され、一般的な傾向に反する結果も示された。 社会人を対象に、表情認知課題における尋ね方の違いを検討した。集団の雰囲気がよいか(雰囲気セッション)と、集団の一員としてあなたを受け入れてくれそうか(受容セッション)を、被験者内で検討した。各セッションともに雰囲気課題に用いた刺激は上記と同様であった。クラウドソーシング会社を介して実施し、オンラインによる実験に各自で参加してもらった。分析の結果、脅威顔の個数の主効果のみが認めらられ、すべての個数間で差が認められた。しかし尋ね方による違いは認められなかった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本年度の研究により、脅威状況によって、アンサンブル表情顔の認知にバイアスが示される可能性が示された。参加者数を増やして検討することによって、個人差を含めた検討をする必要がある。また集団の雰囲気の良し悪しの評価と自身が受容される程度には違いが認められないことが確認されたが、これについても個人差・状況差の検討が残る。
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今後の研究の推進方策 |
実験室実験の参加者を増やし、個人差を含めて脅威状況が及ぼす影響を検討する。加えて、本年度で用いが脅威状況(存在脅威)とは、異なる脅威状況(集団間対立)についても扱い、そのメカニズムの差異について検討する予定である。また集団の雰囲気の良し悪しの評価と自身が受容される程度には違いが認められないことが確認されたが、これについても個人差・状況差の検討をする予定である。
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