研究課題/領域番号 |
22K03025
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研究機関 | 明星大学 |
研究代表者 |
尾野 裕美 明星大学, 心理学部, 准教授 (20754469)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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キーワード | 男性の育児休業 / ネガティブ感情 / 上司 / 同僚 |
研究実績の概要 |
2021年に男性の育児休業(以下、育休と略す)を促す改正育児・介護休業法が成立し、国をあげて男性の育休取得を推進する機運が高まっている。一方で企業における男性の育休取得率は13.97%であり(厚生労働省,2022)、企業が男性の育休取得を推進するなかで社内に不公平感が生じるという問題が示唆されている(尾野,2020)。本研究では、長期育休を取得する男性の上司や同僚に焦点を当て、長期育休を取得する男性に対して抱くネガティブ感情を解明し、その変化プロセスや規定因について明らかにすることを目的とする。 初年度である2022年度は、「長期育休を取得する男性に対する上司のネガティブ感情の変化プロセスに関する探索的検討(研究1)」を実施した。具体的には、民間企業において直属の男性部下が1ヶ月以上の育休を取得したという経験をもつ者14名を対象としたインタビューに基づき分析を行い、男性部下の長期育児休業を通した上司の心理や行動について明らかにした。 また、「長期育休を取得する男性に対する同僚のネガティブ感情の変化プロセスに関する探索的検討(研究2)」も実施した。具体的には、民間企業において同僚の男性が1ヶ月以上の育休を取得したという経験をもつ12名を対象としたインタビュー調査を行った。インタビューでは、男性の同僚が長期育休を取得したときを想起してもらい、育休前、育休中、復職後それぞれの時期における考え方や気持ちの変化について聞き取った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
当初2023年度の実施を予定していた「長期育休を取得する男性に対する同僚のネガティブ感情の変化プロセスに関する探索的検討(研究2)」のインタビューを2022年度に実施したため。
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今後の研究の推進方策 |
2023年度は「長期育休を取得する男性に対する同僚のネガティブ感情の変化プロセスに関する探索的検討(研究2)」の追加インタビューを行い、M-GTAによる分析を遂行する。
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次年度使用額が生じた理由 |
インタビューの実施人数が当初の予定よりも少なかったため、次年度に追加のインタビューを行い、その調査費およびテープ起こし費として使用する予定である。
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