• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2023 年度 実施状況報告書

ヒトにおける嗅覚コミュニケーションの解明:嗅覚感度と社会的認知および社会的行動

研究課題

研究課題/領域番号 22K03046
研究機関宇部フロンティア大学

研究代表者

森本 裕子  宇部フロンティア大学, 心理学部, 講師 (40759924)

研究分担者 中嶋 智史  人間環境大学, 総合心理学部, 准教授 (80745208)
請園 正敏  国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センター, 精神保健研究所 知的・発達障害研究部, リサーチフェロー (50787778)
研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2025-03-31
キーワード嗅覚感度 / 精神疾患 / 社会的認知 / 社会的ネットワーク / Long-Covid
研究実績の概要

2023年度には,嗅覚感度と精神疾患との関係についての総説論文を投稿したが,リジェクトされたため,内容をブラッシュアップし,再投稿投稿に向けた執筆作業を行なった。嗅覚感度は,単純な感度,二つの匂いの弁別,匂いがなんであるかの同定という3つの段階に分けられる。感度,弁別,同定それぞれと,統合失調症,うつ病,双極性障害との関連についてレビューを行い,結果をまとめたものである。感度は主にうつ病と,弁別は統合失調症と,同定は統合失調症および双極性障害との関連が強いようである。

大学生サンプルを対象に,嗅覚感度の個人差を測定し,社会的認知や社会的ネットワークの大きさにかかわる個人差との関係を調べるため,倫理申請を行っている。嗅覚感度の個人差を測定するための検査としてOpen Essenceの使用を予定していたが,嗅覚の同定精度しか測定できないことが判明したため,嗅覚の同定に加え,感度,弁別能力も測定できるSniffin' Stickを利用するという点で研究計画を変更し,取り寄せのための打ち合わせを行なっている。

また,Covid-19罹患患者のうち,Long-Covidを抱えている人を対象に嗅覚感度の測定および社会的認知との関係を調べるため,疲労感の強いLong-covidの人たちでも最小限の負担で自宅から参加できるよう,システムを構築中である。なお,参加者のプライバシーを最大限に守るため,システム上での個人情報保護には最大の配慮をしている。倫理申請が認められればすぐに研究を進める準備はできている。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

当初予定していたよりも,論文のアクセプトおよび再投稿に至るまでに時間がかかっている。また,2023年度は2つの大学での実験実施を同時進行しようとしていたが,かえって手間や時間がかかり,予備調査で終わってしまった。2024年度は1つの大学で実験を進め,確実にデータを取り切ることを予定している。

今後の研究の推進方策

引き続き研究を推進していく。特に,学生サンプルでのデータ取得のため,サポートする学生をデータ取得予定大学において12人募り,協力の了承を得ている。実験室も複数確保できており,一気にデータを取得できる予定である。

次年度使用額が生じた理由

研究計画では嗅覚感度(閾値)を測定するとしていたが,利用しようとしていた嗅覚検査Open Essenceは嗅覚の認知閾を測定するものであったため,計画に変更が生じた。代理の嗅覚検査をSniffin' Sticksと決め,翌年度に検査キットの購入および研究実施に伴う参加者謝礼の支出を行う予定である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2023

すべて 雑誌論文 (1件) (うち国際共著 1件、 査読あり 1件、 オープンアクセス 1件)

  • [雑誌論文] Does the Study of Culture Enrich Our Understanding of Autism? A Cross-Cultural Exploration of Life on the Spectrum in Japan and the West2023

    • 著者名/発表者名
      Gray Atherton , Yuko Morimoto , Satoshi F. Nakashima , Liam Cross
    • 雑誌名

      Journal of Cross-Cultural Psychology

      巻: 54 ページ: 610-634

    • DOI

      10.1177/00220221231169945

    • 査読あり / オープンアクセス / 国際共著

URL: 

公開日: 2024-12-25  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi