研究課題/領域番号 |
22K03049
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研究機関 | 創価大学 |
研究代表者 |
飯村 周平 創価大学, 教育学部, 講師 (80862002)
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研究分担者 |
岐部 智恵子 お茶の水女子大学, 教学IR・教育開発・学修支援センター, 講師 (80770502)
矢野 康介 独立行政法人国立青少年教育振興機構青少年教育研究センター, 青少年教育研究センター, 研究員(移行) (30967568)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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キーワード | 環境感受性 / 感覚処理感受性 / 尺度 / 児童期 / 思春期 / 青年期 |
研究実績の概要 |
私たちは一人ひとり環境に対する感受性や反応性が異なる。ある個人は、遺伝的あるいは気質的な要因のために、ある個人よりも正負の環境や経験から「良くも悪くも」影響を受けやすい。本研究課題は、子どもの心理社会的発達やその支援における環境感受性(正負の環境に対する被影響性・反応性の個人差特性)の役割を検討することを目的としている。主な課題は、(1)環境感受性の気質的側面の測定方法を確立すること、(2)調査や実験を通じて、心理社会的発達における環境感受性の役割を検討すること、(3)環境感受性の個人差に応じた支援策を構築することである。 本年度は、上記のうち(1)の課題に取り組んだ。具体的には、子どもの環境感受性を測定するための英語版心理尺度を3名の研究者によって翻訳し、日本語版の項目を作成した。また、作成された項目の心理測定的性質を検討するため、小学5~中学2年生とその母親を対象に調査を実施した。現在、3つの調査のうち、2つが完了している。すでに完了した調査1では、1,300名を超える母子からデータを収集し、尺度の因子構造や内的整合性、基準関連妥当性の検討を行った。また調査2では、調査1から2週間程度経過したのちに同じ母子を対象に調査を実施し、尺度の再検査信頼性の検討を行った。これから行う調査3を含めて、最終的には2,000名を超える母子からデータを収集する見込みとなっている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究実績の概要で記したとおり、子どもの環境感受性を測定するために心理尺度作成が進行しており、予定された調査のうち、3分の2を完了している。論文化に至るにはまだ時間がかかる見込みであるが、すでにデータ分析も開始しており、研究の進捗状況はおおむね順調だと評価している。
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今後の研究の推進方策 |
今後の研究は、現在作成中の尺度を使用して実施する予定である。今後の研究には、環境感受性の遺伝率を検討する課題が含まれるが、研究代表者の勤務先が変更になったために、予定していた東京大学附属中等教育学校での調査が難しいことが見込まれる。新たに調査を依頼できる学校を探すか、オンライン調査などを活用して調査を進めるといった代替策が挙げられる。
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次年度使用額が生じた理由 |
(B-A)のうち、20,000円は研究分担者への配分であり、実質的な残額は8,397円であり、おおむね過不足なく支出できたと考えている。残額が0ではない理由としては、年度末に残額を超える価格の書籍を注文したが、配送日が翌年度であったことから、結果として翌年度の経費で支出することになった。それゆえ、その分の経費が支出できなかったために、上記の残額が発生している。
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