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2022 年度 実施状況報告書

児童期青年期におけるSNSの問題利用のメカニズムの応用行動分析的検討

研究課題

研究課題/領域番号 22K03059
研究機関順天堂大学

研究代表者

吉武 尚美  順天堂大学, 国際教養学部, 准教授 (40739231)

研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2025-03-31
キーワードSNS依存 / 応用行動分析 / 取り残され不安 / オフラインでのサポート / オンライン上のサポート / つながりの意識
研究実績の概要

新型コロナウイルスの流行は社会のオンライン化を加速した。教育機関はオンライン授業等による教育機会の提供を模索し,スマートフォン の普及とも相まって,今やインターネット は中高生に必要不可欠な生活基盤となった。インターネットの利用目的の1つがInstagramやYouTubeなどのSNSである。現在,中高生が健康や学業,社会生活に支障が出るほどSNSに夢中になる,いわゆるSNS依存の予防と介入は教育臨床心理学における喫緊の課題であるが,我が国のSNS依存研究は未だ記述的段階に留まり,依存に至るプロセスやリスクおよび防御要因の解明には至っていない。
本研究はSNS依存を説明する枠組みとして「心理社会的要因 (先行条件) →SNSの問題利用 (行動) →適応への影響 (結果)」という応用行動分析に基づく仮説モデルを構築し,中高生に見られるSNSの問題利用のメカニズムを解明する。本研究の成果から,中高生のSNSの問題利用傾向の予防と心理教育について実証的検討に根差した提言し,SNS依存の理解と予防に貢献することを目指す。さらには,インターネットの問題利用を測定する国際的尺度を使用することにより,SNSの問題利用における文化の影響を解明する。
2022年度は,SNSの問題利用を生じさせるプロセスに関する探索的検討を目的として,依存傾向のある中高生にオンラインインタビューを計画していた。具体的にはSNSに依存するリスクと防御要因,SNSのメリットとデメリット,および離脱の契機などを尋ね,2023年度実施予定の量的調査のための仮説モデルの精緻化を目指した。しかしながら,調査設計,倫理的配慮,ならびにサンプリングの各段階に予期せぬ問題が頻発し,予想以上の時間を要したため,設計と倫理審査通過までで年度が終了となった。予定より遅れているが計画は進展しており,2023年度6月に実査を行う予定である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

オンライン・インタビューを実施予定であったが,計画立案,倫理的配慮,サンプリングに手間取ったため,実施まで終えられなかった。しかし2023年6月には実施予定となっており,論文発表までを含めると半年程度の遅れとなっている。

今後の研究の推進方策

中高生のSNS依存のメカニズムを明らかにするため,今後はオンライン・インタビューの実施と分析を通してメカニズムの探索的検討を行う。さらに9月には高校生に質問紙調査を実施し,仮説モデルの検証を行う。翌2024年度には中高生対象に短期縦断調査を予定しており,因果関係を明らかにすることで真のメカニズムの解明に迫る。

次年度使用額が生じた理由

2022年度に予定し計上していたオンラインによるインタビュー調査の実施が遅れたため未使用額が生じている。インタビュー調査は計画は完了し,6月に実施予定であり,2023年度には未使用分研究費は清算される。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2022

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] ネット上のサポートと大学生の 精神的健康の関連: E-Support尺度の実証的検討を通して2022

    • 著者名/発表者名
      吉武尚美・菅原ますみ・松本聡子・斎藤彩・坂田侑奈
    • 学会等名
      日本教育心理学会第64回総会

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公開日: 2023-12-25  

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