研究課題/領域番号 |
22K03059
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研究機関 | 順天堂大学 |
研究代表者 |
吉武 尚美 順天堂大学, 国際教養学部, 准教授 (40739231)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | SNS依存 / 応用行動分析 / 取り残され不安 / オフラインサポート / オンラインサポート / つながりの意識 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は中高生のSNS依存のメカニズムの解明にある。SNSに依存するプロセスを理解するため、「先行要因→行動→結果」という応用行動分析の枠組みを用いて仮説を構築した。すなわち先行要因として心理社会的状況 (取り残され不安、オンライン/オフラインでのソーシャルサポート) がSNSの問題利用(行動)に影響を与え、結果として精神的健康や社会的適応に帰結すると考えた(結果)。とくにSNSのもたらすポジティブな影響としてつながりの意識の高まりを実証的に明らかにすることに焦点を当てている。 2023年度は,1年延期となっていた中高生対象のグループインタビューをオンラインで実施できた。質的分析により、SNSの依存のプロセスについて探索的な検討を行った。SNSを使うことが日常化し、通知が契機でアクセスすることになり、SNS利用行動には心理的反応やセルフモニタリング、親の統制が影響しており、生活への影響としては交流の拡大や一体感といったポジティブな側面と、勉強不足や出費増などのネガティブな側面があるとともに、寝不足や視力低下といった身体的な事態が生じてることが明らかとなった。さらに、当初の予定通り高校生対象のウェブ調査を実施し、オンラインサポートの程度を尋ねる尺度の日本語版の妥当性検討ならびに心理的適応におけるオンラインとオフラインのサポートの効果を比較検討した。 現在2024年度に実施する予定の中高生対象の質問紙パネル調査の協力校をリクルーティングしている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
計画立案,倫理的配慮,サンプリングなどの準備のため、2022年度に実施を予定していたオンライン・インタビューは1年遅れの2023年6月に実施となったが、その後ウェブ調査は予定通り実施できた。2024年度に実施予定の質問紙調査の協力校を2023年度中にリクルーティングする予定であったがまだ集めきれていない。しかしながら予定通り実査予定である。
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今後の研究の推進方策 |
中高生のSNS依存のメカニズムを明らかにするため,オンライン・インタビューで得られた結果をもとに仮説モデルを構築し、実証的に検討を行う。中高生に短期縦断質問紙調査を実施し,仮説モデルの検証を行う。翌2024年度には中高生対象に短期縦断調査を予定しており,因果関係を明らかにすることで真のメカニズムの解明に迫る。
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次年度使用額が生じた理由 |
高校生対象のウェブ調査は未成年ということで当初計画よりも調査委託費用が増えたため2023年度内に予算前倒し支払い請求を行った。また参加を予定していた国際学会をオンライン参加としたため使用額に未使用金が発生した。 2024年度には当初の計画通り、中高生を対象にした短期縦断質問紙調査の実施と学会発表、論文執筆を予定しており、それらの遂行に繰り越し分を合わせた研究助成金を使用する。
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