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2022 年度 実施状況報告書

言語発達の促進を目的とした,幼児の指さし産出を促す効果的介入法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 22K03060
研究機関聖心女子大学

研究代表者

岸本 健  聖心女子大学, 現代教養学部, 教授 (20550958)

研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2025-03-31
キーワード指さし / 幼児 / 養育者 / 身振り / 言語
研究実績の概要

本研究の目的は,幼児の指さし産出を促す効果的な介入法を開発し,幼児の言語発達を促進することであった。幼児の指さし産出を促進させるうえで,幼児と相互交渉を展開する養育者側に介入することが効果的であることが,申請者のこれまでの研究で示唆されたが,本研究では,①その再現性を検証するとともに,②養育者への介入を実施し,その介入が養育者の指さし産出を実際に促進するのか,それが③幼児の指さし産出に影響するのか,さらにそれが④幼児の言葉の発達を促進するか,を検討する計画であったが,コロナ禍に伴い,本年度は①の検証に留まった。ただ,より簡便な介入法として,幼児に対する養育者による「絵本の読み聞かせ」を利用する手法を新たに考案することができた。これまで,幼児と保護者の両者の指さしを効果的に引き出す方法として,部屋をポスターや玩具で装飾する「デコレーテッドルーム」を用いる手法が一般的であった。それに対し,本研究で新たに考案した絵本の読み聞かせ場面では,デコレーテッドルーム同様,養育者,幼児とも頻繁に指さしを産出することが分かった。特に図鑑を読み聞かせる場面では,起承転結のある物語絵本を読み聞かせる場面と比較してよく指さしが幼児および養育者から観察された。デコレーテッドルームでは玩具やポスターの準備に手間がかかる一方,絵本読み聞かせ場面では絵本だけあればよく,指さしを引き出す簡便で効果的な手法の1つとなり得ると考えられた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

コロナ禍がやや収束の兆しを見せていたとはいえ,2022年度はまだ感染症への警戒を解くわけにはいかなかった。そのため,幼児および養育者への観察は予定していた分のうちのわずかしか実施することができず,研究を十分に進めることができなかった。

今後の研究の推進方策

まだ油断することはできないが,コロナ禍収束が現実味を帯びてきた。このため,本年度はこれまでと比較して幼児及び養育者への観察の依頼が容易になると考えられる。養育者へ研究依頼をする体制を早急に整え,予定されていた観察や介入を進めていく。並行して,得られた結果を学会発表や論文の形で公表し,他の研究者からの意見を募ることで,よりよい介入法を提案し,その効果を検証していく計画である。

次年度使用額が生じた理由

若干の収束の兆しが見られたとはいえ,2022年度はまだコロナ感染症のリスクが高い状態にあったため,観察を十分に実施することができなかった。このため,観察対象となる幼児とその養育者に支払われるはずの謝金や,研究成果を公表するために必要な英文校閲のための費用,学会発表に必要な旅費などの経費を使用する機会がなかった。このため,次年度使用額が生じた。2023年度には観察を順次,実施していくとともに,得られた研究成果を速やかに公表する。次年度使用額の助成金は,これらの経費に充てる計画である。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 備考 (2件)

  • [備考] Researchmap (岸本健)

    • URL

      https://researchmap.jp/tkishimoto

  • [備考] 教育研究業績書

    • URL

      https://faculty.u-sacred-heart.ac.jp/DBxx/GyousekiDB/webFile/H15076.html

URL: 

公開日: 2023-12-25  

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