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2022 年度 実施状況報告書

社会情動的コンピテンシーの測定と涵養:特性とスキルの弁別のための教育心理学的研究

研究課題

研究課題/領域番号 22K03078
研究機関京都大学

研究代表者

高橋 雄介  京都大学, 教育学研究科, 准教授 (20615471)

研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2025-03-31
キーワード社会情動的コンピテンシー / 非認知能力 / パーソナリティ特性
研究実績の概要

社会情動的コンピテンシー (Socio-emotional Competencies; もしくは非認知スキル/能力) にまつわるさまざまな誤解は,それらの [1] 定義が不十分であること,[2] 測定可能性が不十分であること,[3] 教育可能性が不透明であることに起因すると考えられる。本研究課題の目的は,これら3つの不十分性/不透明性を解決するため,特性とスキルが適切に弁別された尺度であるBehavioral, Emotional, and Social Skills Inventory (BESSI, Soto et al., 2022) に注目して,一連の教育心理学研究を遂行することにある。BESSIは,パーソナリティ特性のBig Fiveには依拠しつつも,行動パターンではなく,それぞれに紐づいたスキルを尋ねようとしている点に特色がある。また,Big Five以外にも,OECDの提唱枠組みや21世紀型コンピテンシーとも十分な対応関係があり,分かりやすいものとなっている。本年度は,社会情動的コンピテンシーの測定可能性と涵養可能性の検討を目指すため(先述の課題のうち,とりわけ[1]と[2]に取り組むため),特性的な特徴からある程度分離されたスキルの個人差を測定するためのツールとしてBESSIに着目し,邦訳版(自己回答版)を作成することを具体的な目標として,192項目のすべての項目について精査しつつ,日本語訳を行い,その信頼性と妥当性の検証を開始した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

本研究の基盤をなす尺度開発のための準備は滞りなく進んだ。今後は,アメリカ合衆国の研究者の保有する公開個票データと照合としつつ,測定不変性の確認を進めることによってなおいっそうの進展を図る。

今後の研究の推進方策

現状において,本研究計画について関する後ろ向きの計画変更の予定は何も無い。ただし,議論の拡散を回避するために,ターゲットとする変数を適切に限定したり,年齢層を細かく制限したりするなどして,研究の効率的な遂行を妨げることのないように工夫・配慮を行い,場合によってはリサーチ・アシスタントを雇用するなどして,研究活動をさらに円滑に遂行していきたい。

次年度使用額が生じた理由

年度末に予定されていた打ち合わせの実施が次年度へと繰り延べされたことが原因で若干の余剰が発生したものの,十分な対策を講じたうえで次年度にそれに相当する研究会を実施予定である。

  • 研究成果

    (10件)

すべて 2023 2022 その他

すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (8件) (うち国際学会 2件、 招待講演 1件)

  • [国際共同研究] University of California, Riverside(米国)

    • 国名
      米国
    • 外国機関名
      University of California, Riverside
  • [雑誌論文] 抑うつの長期的及び短期的な変化の軌跡とそれらを予測するパーソナリティ特性との関連2022

    • 著者名/発表者名
      高橋雄介
    • 雑誌名

      発達心理学研究

      巻: 33 ページ: 346-355

    • 査読あり
  • [学会発表] 学生の就活経験はパーソナリティ特性に違いを生み出すか?ー社会的投資理論の検証2023

    • 著者名/発表者名
      藤原澪緒,高橋雄介
    • 学会等名
      日本発達心理学会第34回大会
  • [学会発表] 行動遺伝学の考え方―発達行動遺伝学研究のこれまでとこれから2023

    • 著者名/発表者名
      高橋雄介
    • 学会等名
      日本発達心理学会第34回大会
  • [学会発表] Developmental trajectories of depression and predictive associations with personality traits: A six-wave longitudinal study2022

    • 著者名/発表者名
      Takahashi, Y.
    • 学会等名
      36th Annual Conference of the European Health Psychology Society
    • 国際学会
  • [学会発表] The interplay between emotions and creativity in adolescence: A cross-national investigation2022

    • 著者名/発表者名
      Knapp, S., Kyeong, Y., Davis, E., Takahashi, Y., & Cheung, C.
    • 学会等名
      Conference of the International Society for Research on Emotion 2022
    • 国際学会
  • [学会発表] 思春期身体発育と抑うつ傾向の関連における養育態度認知の媒介効果2022

    • 著者名/発表者名
      田中麻未,高橋雄介
    • 学会等名
      日本認知心理学会第19回大会
  • [学会発表] 反社会的行動の病因論に関する日英双生児を対象とした文化比較研究2022

    • 著者名/発表者名
      高橋雄介
    • 学会等名
      第29回 ヘルスリサーチフォーラム
    • 招待講演
  • [学会発表] 病原嫌悪と道徳嫌悪は同じ遺伝的基盤を有するか2022

    • 著者名/発表者名
      高橋雄介,平石界,栗田創一,福川康之
    • 学会等名
      日本教育心理学会第64回総会
  • [学会発表] 嫌悪感受性とパーソナリティ特性の遺伝・環境相関ー嫌悪感受性は社会的学習の産物か?2022

    • 著者名/発表者名
      高橋雄介,平石界,栗田創一,福川康之
    • 学会等名
      日本心理学会第86回大会

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公開日: 2023-12-25  

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