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2022 年度 実施状況報告書

父親の育児関与の構造とその規定因に関する発達心理学的研究

研究課題

研究課題/領域番号 22K03094
研究機関四国大学

研究代表者

下坂 剛  四国大学, 生活科学部, 准教授 (30390347)

研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2025-03-31
キーワード父親の育児関与 / 積極的育児関与活動 / 暖かさと応答性 / コントロール / 間接的ケア / プロセスにおける責任性 / 養育態度 / 心理尺度作成
研究実績の概要

令和4年度は,Pleck(2010)の父親の育児関与に関する理論を詳細に整理するため,Pleck(2010)の原著を再度検討し直し,その他先行研究のレビューも幅広く行った。その上で,Pleck(2010)が提唱した父親の育児関与理論における,3つの主要素,2つの補助要素についてそれぞれ項目を作成した。具体的には,先行研究における構成概念の定義にしたがって,主要素として①積極的育児関与活動,②暖かさと応答性,③コントロールの3つの内容,補助要素として①間接的ケア,②プロセスにおける責任性の2つの内容を合わせ,各10項目で合計50項目を作成した。その上で,所属機関の研究倫理審査専門委員会において承認を得た。調査内容は,Pleck(2010)理論にもとづく父親の育児関与に関する50項目,各要素と理論的に関連性が仮定できる養育態度など複数の尺度である。調査はインターネット調査により実施し,項目を慎重に検討するため,最初は予備調査段階と位置付け,第1子に0歳から18歳までの子をもつ父親200名を対象とした調査とした。スクリーニングを経て対象者を絞り200名の回答を得て,データを分析したところ,Pleck(2010)の理論を踏まえても,3つの主要素と2つの補助要素は別々の尺度として検討することが望ましいことが確認された。今後は,Pleck(2010)の理論を再度精査した上で,主要素と補助要素を別々の尺度として作成するため,項目を微修正した上で,本調査として,より大規模な調査をインターネット調査によって実施する予定である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

Pleck(2010)の父親の育児関与理論を踏まえた項目作成に予定していた以上の期間が必要であった。しかし,Pleck(2010)理論や関連する先行研究を詳細に検討し直し,それをもとに項目を作成したことで,予備調査段階ではあるが,想定した因子構造が主要素,補助要素それぞれでほぼ明確に見出されたため,今後,尺度作成を行う本調査に向けて順調なデータが得られたと考えている。

今後の研究の推進方策

まずは,本調査を行うにあたり,予備調査のデータからPleck(2010)理論の主要素と補助要素を別々に尺度化することの理論的妥当性を慎重に検討する。その上で問題がないという見通しが得られた段階で,所属機関における研究倫理審査を受けて承認を得る。調査はインターネット調査で実施し,調査対象者は1000名程度の大規模なものを想定している。規模の大きなサンプルによる分析によって,より明確な因子構造や尺度作成における信頼性,妥当性の根拠となる知見が得られると考えている。

次年度使用額が生じた理由

令和5年度は本調査として大規模なインターネット調査を実施し,その費用として助成金の大部分を使用する予定である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2023

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] 未就学児をもつ父親における妻へのサポートと育児関与,主観的幸福感との関連2023

    • 著者名/発表者名
      下坂 剛・小塩真司
    • 学会等名
      日本発達心理学会

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公開日: 2023-12-25  

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