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2022 年度 実施状況報告書

糖尿病の「引き受け」に関する評価尺度の開発と糖尿病アウトカムに及ぼす影響の検討

研究課題

研究課題/領域番号 22K03103
研究機関東北学院大学

研究代表者

東海林 渉  東北学院大学, 教養学部, 准教授 (00720004)

研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2026-03-31
キーワード糖尿病 / 疾患受容 / 引き受け
研究実績の概要

本研究は糖尿病患者の「心理的受容(病いの引き受け)」の程度が血糖コントロール、合併症予防、治療継続、セルフケア行動などの糖尿病療養に関するアウトカムに及ぼす影響を検討することを目的としている。
研究の第一ステップとして、今年度は文献研究を通して、糖尿病患者の「心理的受容(病いの引き受け)」の概念の明確化および関連する概念との関係について検討を行った。また、2型糖尿病および1型糖尿病の当事者の病いの引き受けに関する講演視聴およびヒアリングを通してフィールドワークを実施した。その結果、糖尿病の心理的受容の障壁として、社会的な障害(就職進学、職業選択、保険加入、住宅ローンの手続きなど)が関与すること、そのプロセスに社会的なスティグマ(public stigma)が関係していることが明らかとなった。ここから社会的な障壁は社会的なスティグマに影響し、それ自体が糖尿病の心理的受容を困難にさせるとともに、社会的スティグマは糖尿病患者個人に内在化されて自己スティグマ(self-stigma)へと発展して糖尿病の心理的受容を妨害する可能性が示唆された。
また研究の第二ステップとして、本年度、「心理的受容(病いの引き受け)」の評価尺度(Diabetes Acceptance Scale (DAS) / Diabetes Acceptance Scale-Short Form (DAS-SF); Schmitt et al, 2018)について、MAPI Research Trustへ翻訳許可の申請を提出し、日本語版翻訳の許可を得ることができた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

文献調査およびフィールドワークにより糖尿病の心理的受容と隣接概念との関連を明らかにできたことや糖尿病の心理的受容と糖尿病アウトカムの関連プロセスの仮説を明確化できたことは成果であるが、近年、糖尿病スティグマの研究が増加したことにより文献整理に時間を要した。そのため当初の目標であった尺度作成の手続きを十分に進められなかった。以上のことから「やや遅れている」と評価した。

今後の研究の推進方策

2年目は尺度の翻訳作業を進める。オンライン調査を活用し、データ収集等を効率的に進める予定である。またオンライン調査と並行して、その後に計画している病院での調査に必要な段取りを進めておく。それによって遅れている計画をカバーして研究の遂行を図る。

次年度使用額が生じた理由

当初計画していた尺度作成のためのオンライン調査まで進められず、業者委託費の支払いがなかったため残額が生じた。次年度にオンライン調査による尺度作成研究を遂行するため、残額はそのまま業者委託費として使用する予定である。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2022

すべて 学会発表 (2件) (うち国際学会 1件) 図書 (1件)

  • [学会発表] 「本当は糖尿病のことを考えずに生活したい」と語る2型糖尿病患者との心理面接2022

    • 著者名/発表者名
      東海林渉・赤井裕輝
    • 学会等名
      日本糖尿病医療学学会 第9回学術大会
  • [学会発表] Examination of the adaptation processes to the illness in Japanese couples with type 2 diabetes2022

    • 著者名/発表者名
      Wataru Shoji
    • 学会等名
      International Diabetes Federation 2022
    • 国際学会
  • [図書] 慢性疾患(糖尿病)の患者の日常を支える(分担執筆)(実践! 健康心理学)2022

    • 著者名/発表者名
      東海林渉
    • 総ページ数
      208
    • 出版者
      北大路書房
    • ISBN
      9784762832079

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公開日: 2023-12-25  

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