研究課題
本年度は、昨年度に続き、ポジティブ感情の変容プロセスとポジティブ感情と介入効果の関連についてエモーション・フォーカスト・セラピー(EFT)および加速化体験力動療法 (AEDP)のデータをもとに検討した。それをもとにポジティブ感情を伴う感情変容を促進する介入法の具体化を目的とした。本年度は以下の作業を行った。①EFTでは3ケースのデータ収集を行った。AEDPは新に5ケースのデータ収集を行った。②AEDPに関して、ポジティブ感情のなかでもフラーリッシュングに焦点を当て、介入効果との関連を検討した。③AEDPとEFTの初回面接における修正感情体験について検討した。④修正感情体験についてセラピストインタビューを通してセラピストの個人的傷つきとそこからの回復について検討した。これらの研究成果は、The Society for Psychotherapy Researchの国際大会で発表した。また、それらに基づいて現在論文投稿準備中である。
2: おおむね順調に進展している
データ収集についてはコロナ後で少し遅れ気味である。もう一方で、データの分析については、並行していくつかの作業を順調に進められている。研究補助が分析作業にかかわることによって、より効率的にデータの分析を行っている。学生がこれらの分析にかかわり、国際大会において発表する体制が作られている。そのなかで、学生の研究コンピテンシーや語学力も高められる。もう一方で、投稿準備も進めている。すでに2本の論文の投稿準備がほぼ完了している。学生の発表した内容を今後、投稿へとつないでいくことも課題となっている。
今年度は、これまでの成果をまとめ、論文発表および論文の投稿を中心に進める。6月に開催されるThe Society for Psychotherapy Researchの年次大会において、論文発表を行う。続いて、現在投稿準備中の論文数件を仕上げる。加えて、本研究から修正感情体験が心理療法段階によって質が異なり、より分化された介入指針が必要であることも明らかになっている。そのため、さらに修正感情体験の理解を深めるために、今後のプロジェクトの計画を進める。
すべて 2023 その他
すべて 国際共同研究 (2件) 雑誌論文 (6件) (うち国際共著 2件、 査読あり 4件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (5件) (うち国際学会 5件)
Transformance
巻: 11 ページ: 1-11
季刊ビィ = Be!
巻: 152 ページ: 10-15
臨床心理学
巻: 23 ページ: 459-467
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巻: 23 ページ: 329=338
Psychotherapy Research
巻: 21 ページ: 1-28
10.1080/10503307.2023.2183155