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2023 年度 実施状況報告書

複数の強みを組み合わせるポジティブ心理学介入の実践

研究課題

研究課題/領域番号 22K03135
研究機関関西福祉科学大学

研究代表者

島井 哲志  関西福祉科学大学, 心理科学部, 教授 (30136973)

研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2025-03-31
キーワード人格的強み / キャラクター・ストレングス / ポジティブ心理学 / ウェルビーイング / 人生の意味 / 仕事の意味 / 健康
研究実績の概要

人格の強みCharacter strengths研究の基盤となる新しい強み尺度CST24については、かねてより準備してきたが、新たなデータを加えた尺度開発論文が、国際誌に採択されて公表することができた(Shimai & Urata, BMC Psychology, 2023)。これを用いた研究は従来から行ってきたが、今後は多くの関連の研究者にも広く利用してもらえる条件が整った。
強みを用いたポジティブ心理学介入のアウトプット=評価尺度としては、従来から幸福感が多く用いられてきたが、2023年度には、人生の意味や仕事の意味の多次元的な尺度を開発して発表し論文化した。そして、これを用いることで、それぞれの次元に寄与する強みが異なることが示唆され、国内学会で報告しててきた。また、ポジティブなマネジメントに、強みの活用することの効用について論文化した。これに関連して、日本心理学会の心理学学ワールドには、心身の健康をストレングスからアプローチするポジティブ・ヘルスの観点の重要性を発表した。
これらの知見の一部は、2023年にドイツ・ブレーメンで開催された、ヨーロッパ健康心理学会で報告した。この発表のための渡欧の機会に、オーストリアのインスブルック大学のタチアナ・シュネル先生と、フィンランドのアールト大学のフランク・マルテラ先生と、今後の共同研究について相談する機会を得た。
このほか、共同研究として強みの枠組みを活用した成長マインドセットに関する英文論文と、災害予防教育への動機づけとしての活用に関する英文論文(ともに日本心理学会のPsychological Resaerch誌)を発表した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

強みの尺度や関連するアウトプット尺度の開発と論文化が順調に進んでおり、研究がますます幅広く展開できる条件が整ってきた。科研費の支援により国際学会発表に出かけることができ、その機会に海外の研究者との協力関係を密接にすることができた。アウトプットの評価尺度得点を目的変数として、強みを説明変数とした分析の結果も発表予定であり、エビデンスに基づいて、複数の強みの用い方を提案できるようになってきた。実践研究は今後の課題であり、縦断的な研究をすることを計画している。

今後の研究の推進方策

ウェルビーイングにつながるアウトプットとしての評価指標の研究は国外でも盛んに展開され、大きな成果を上げてきている。本研究でも、これを受けて、当初の計画をさらに拡大した実践研究として展開している。このことで、さらに研究が発展しそうであるが、2024年度で終了する予定の研究課題であるので、次年度に向けて、これを継続的に発展した課題を申請する必要があるように思われる。

次年度使用額が生じた理由

コロナ禍で研究発表のための学会がリモート開催になり、旅費支出がほとんどかからなかったことが大きな要因のひとつである。また尺度開発の研究が進んだが、英語論文を作成して国際学会誌に投稿するのがやや遅れ、次年度になる予定である。可能性としてオープンジャーナルに掲載することも予想されるので、そのための費用を積み残している。

  • 研究成果

    (20件)

すべて 2024 2023 その他

すべて 国際共同研究 (3件) 雑誌論文 (9件) (うち国際共著 1件、 査読あり 8件、 オープンアクセス 6件) 学会発表 (5件) (うち国際学会 1件) 図書 (3件)

  • [国際共同研究] Colorado Staet University(米国)

    • 国名
      米国
    • 外国機関名
      Colorado Staet University
  • [国際共同研究] Insbrook Unoversity(オーストリア)

    • 国名
      オーストリア
    • 外国機関名
      Insbrook Unoversity
  • [国際共同研究] Alto University(フィンランド)

    • 国名
      フィンランド
    • 外国機関名
      Alto University
  • [雑誌論文] Structure of Disaster Preparedness Motivation and Its Relationship with Disaster Preparedness Behaviors2024

    • 著者名/発表者名
      Toyosawa Junko、Takehashi Hiroki、Shimai Satoshi
    • 雑誌名

      Japanese Psychological Research

      巻: 66 ページ: 225~238

    • DOI

      10.1111/jpr.12498

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] 日本語版モジュール式仕事の意味尺度(ME-Work)の開発2024

    • 著者名/発表者名
      Urata Yu、Shimai Satoshi、Schnell Tatjana
    • 雑誌名

      The Japanese Journal of Personality

      巻: 32 ページ: 134~137

    • DOI

      10.2132/personality.32.3.6

    • 査読あり / オープンアクセス / 国際共著
  • [雑誌論文] Development and validation of the Character Strengths Test 24 (CST24): a brief measure of 24 character strengths2023

    • 著者名/発表者名
      Shimai Satoshi、Urata Yu
    • 雑誌名

      BMC Psychology

      巻: 11 ページ: 238

    • DOI

      10.1186/s40359-023-01280-6

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] A Study of the Conceptual Structure of Growth Mindsets and Their Impact on Self‐Improvement Motivation2023

    • 著者名/発表者名
      Takehashi Hiroki、Toyosawa Junko、Shimai Satoshi、Yananose Maki
    • 雑誌名

      Japanese Psychological Research

      巻: 66 ページ: 166~177

    • DOI

      10.1111/jpr.12469

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] 「健康」 概念はどこにいくのか2023

    • 著者名/発表者名
      島井哲志
    • 雑誌名

      心理学ワールド/日本心理学会

      巻: 103 ページ: 8-11.

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] COVID-19パンデミックに対するポジティブ心理学実践の展開2023

    • 著者名/発表者名
      島井哲志・前田直菜緒
    • 雑誌名

      ストレス科学研究

      巻: 37 ページ: 3-9.

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 大学生の生成 AI 利用: 2023 年 4 月の心理学部生の実態2023

    • 著者名/発表者名
      島井哲志
    • 雑誌名

      関西福祉科学大学紀要

      巻: 27 ページ: 1-7.

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] 病院組織運営へのキャラクター・ストレングスの活用: ポジティブ心理学から2023

    • 著者名/発表者名
      島井哲志, & 久保信代.
    • 雑誌名

      病院

      巻: 82(12) ページ: 1040-1046.

  • [雑誌論文] 禁煙意思決定バランス尺度の開発2023

    • 著者名/発表者名
      山野洋一, 山田冨美雄, 島井哲志, & 長谷川芳典
    • 雑誌名

      社会システム研究

      巻: 119. ページ: -

    • 査読あり
  • [学会発表] 人生の意味3次元とポジティブ・ネガティブ感情の関係―成人勤労者の年代比較―、2023

    • 著者名/発表者名
      島井哲志,浦田悠,フランク・マルテラ,マイケル・F・スティーガー
    • 学会等名
      日本ストレスマネジメント学会第21回学術大会
  • [学会発表] 人生の意味3次元尺度(3DM)日本版の開発(1) 信頼性・妥当性の検討2023

    • 著者名/発表者名
      浦田悠,島井哲志,フランク・マルテラ,マイケル・F・スティーガー
    • 学会等名
      第32回日本パーソナリティ心理学会
  • [学会発表] 人生の意味3次元尺度(3DM)日本版の開発(2) ビネットを用いた検討2023

    • 著者名/発表者名
      島井哲志,浦田悠,フランク・マルテラ,マイケル・F・スティーガー
    • 学会等名
      日本心理学会第87回大会
  • [学会発表] Development of the Japanese version of ME-Work modular meaning of work inventory2023

    • 著者名/発表者名
      Shimai, S., Urata & Schnell
    • 学会等名
      37th Annual Conference of the European Health Psychology Society, 4-8 September 2023, Bremen, Germany
    • 国際学会
  • [学会発表] 人生の意味探求への目的次元の負の関与―人生の意味三次元尺度(3DM)を説明変数とした重回帰分析から2023

    • 著者名/発表者名
      島井哲志,浦田悠,フランク・マルテラ,マイケル・F・スティーガー
    • 学会等名
      日本健康心理学会第36回大会
  • [図書] ポジティブ心理学とリハビリテーション栄養 ー強みを活かす!ポジティブリハ栄養ー2023

    • 著者名/発表者名
      若林秀隆(編著)
    • 総ページ数
      168
    • 出版者
      医歯薬出版
    • ISBN
      978-4-263-26670-0
  • [図書] 宗教が拓く心理学の新たな世界2023

    • 著者名/発表者名
      松島公望・大橋明・川島大輔(編著)
    • 総ページ数
      324
    • 出版者
      福村出版
    • ISBN
      978-4-571-25064-4
  • [図書] 人物で読む心理学事典2023

    • 著者名/発表者名
      サトウ タツヤ(監修)/長岡 千賀・横光 健吾・和田 有史(編)
    • 総ページ数
      424
    • 出版者
      朝倉書店
    • ISBN
      978-4-254-52036-1

URL: 

公開日: 2024-12-25  

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