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2022 年度 実施状況報告書

沖縄戦体験者の物語を伝え紡ぐーICTを活用した世代と地域をこえる語らいの場の共創

研究課題

研究課題/領域番号 22K03140
研究機関沖縄大学

研究代表者

吉川 麻衣子  沖縄大学, 人文学部, 教授 (80612796)

研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2026-03-31
キーワード戦争体験者 / 沖縄 / 物語 / 語り合い / ICT / 共創
研究実績の概要

①ICTを用いた「語り合い」に参加者へのインタビュー調査を通して,メリット・デメリットの洗い出しと改善策を検討した。地域における「戦争体験を語らう場」は10年以上対面で実施しているが,Covid-19感染予防の観点から、2020年よりオンライン開催を始めた。福祉施設入所あるいは引っ越しなどの理由で参加できなくなっていた方が,オンライン開催を機に再び語らいに参加できるようになった。そのような状況にある2事例に対し調査を行った。一方,対面での語らいには参加できていたが、独居でICT機器への対応が難しい(家族のサポートが得られない)ため,オンラインでの語らいには参加したくてもできない状況になった2事例に対しても調査を行った。①の成果については国内学会に論文投稿したため(審査中),当初,支出を予定していた翻訳料は不要となった。
②安心・安全に語り合える場の創造のため,①の調査結果を基に検討を重ね,令和4年度11月にはオンラインと対面を併用して語らいの場を実施できるようになった。また,感染状況の改善が見られたため,令和5年1月からは,短時間ではあるが対面で語らいの場を開催することができている。
③ICTを活用した世代と地域をこえた語らいの場を1回実施した。参加者は7名(20代2名,30代1名,40代1名,80代2名,90代1名)で,90分間行った。沖縄県,広島県,京都府,東京都からの参加であったが,通信状態が悪く,途中までの参加となった者がいたこと,機器の使用方法に戸惑った参加者がいたことなど課題が明らかになった。その点を改善し,令和5年度の実践に活かしたい。成果報告は3回ほど実施した後に行う。
④「平和教育プログラム」の企画・運営については,文献等による調査や研究会参加を通して情報収集を行った。現地調査(国内)は令和5年度に行う。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

①研究実績の概要で記したように,安心・安全な「語らいの場」の運営についての検討を行った。令和4年度は1回のみの実施であったが,ICTを活用した世代と地域をこえた語らいの場の企画・運営を始動することができた。
②「平和教育プログラム」の企画・運営については,文献等による調査や研究会参加を通して情報収集を行った。令和4年度後半に現地調査(国内)を実施する予定であったが,行うことができなかったため,この点がやや遅れている点と言える。現地への訪問は令和5年度に行う予定である。

今後の研究の推進方策

①本研究課題において重要な協力者(戦争体験者)が他界したことで,令和5年度以降の研究計画に変更が生じる可能性がある。
②Covid-19感染状況が改善したことによって対面での「語り合い」が実施できるようになったため,ICTを活用した「語り合い」の意義を参加者と再確認する必要がある。

次年度使用額が生じた理由

①「平和教育プログラム」の企画・運営に向けた現地調査(国内)を実施する予定であったが,行うことができなかったため旅費の支出がなかった。現地(東京都,広島県)への訪問は令和5年度に行う計画である。
②研究成果を分析するためのソフトを購入する予定である。
③令和4年度に支出しなかった翻訳料は,令和5年度に使用する予定である。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2022

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] 心理臨床領域における社会的公正とアドボカシーの視点―養成プログラムへの統合を見据えて―2022

    • 著者名/発表者名
      蔵岡智子・井出智博・草野智洋・森川友子・大賀一樹・上野永子・吉川麻衣子
    • 雑誌名

      東海大学文理融合学部紀要

      巻: 1 ページ: 37-53

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] 心理臨床におけるソーシャル・ジャスティスとアドボカシー -社会政治的・経済的・文化的要因にセンシティブな心理臨床のために-2022

    • 著者名/発表者名
      杉原保史・井出智博・大賀一樹・上野永子・葛文綺・草野智洋・蔵岡智子・中澤未美子・吉川麻衣子・山内浩美
    • 学会等名
      日本心理臨床学会

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公開日: 2023-12-25  

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