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2022 年度 実施状況報告書

食物アレルギーの真の寛解へ-原因食物別プロシジョンサイコセラピープログラムの開発

研究課題

研究課題/領域番号 22K03177
研究機関東京成徳大学

研究代表者

小西 瑞穂  東京成徳大学, 応用心理学部, 特任准教授 (90378448)

研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2026-03-31
キーワード食物アレルギー / 心因性 / 心理的治療介入プログラム / 認知行動療法 / ランダム化比較試験
研究実績の概要

世界的に食物アレルギーの子どもが増加している。食物アレルギーの基本的な治療では、患者は原因食物を食べない、あるいは少量から限定された量を食べるという制約の多い食生活を長期間に渡って送る。その結果、生理的には徐々に耐性獲得する一方、原因食物の味や触感などに慣れないことや、アレルギー症状の発症への不安から、原因食物自体に拒否感を抱き、寛解後も原因食物を摂取できない「心因性食物アレルギー」となる子どもの存在を代表者らは発見し、研究を深めてきた。
本研究では、食物アレルギー患者に最適な心理的治療介入プログラム「プレシジョンサイコセラピープログラム(PPPFA)」を開発し、心因性食物アレルギーの治療法確立を目指す目的である。2022年度には、各食物アレルギーの拒否感形成の特徴を検討するために、調査結果を精査した。その結果、卵と牛乳アレルギーは原因食物への拒否感が特に形成されやすい原因食物であることがわかった。その結果を基に、原因食物への拒否感の形成に対する予防プログラム(PPPFA)の内容について、臨床心理士3名と小児アレルギー科医4名の計7名で検討し、動画とワークブックを作成した。研究対象者のみならず、将来のユーザーがいつでもどこにいてもプログラムを行える環境を提供するために、オンラインで行えるプログラムの整備を行った。2023年度に行うフィージビリティ調査の倫理申請も行った。
2022年度は日本心理学会、日本健康心理学会、日本小児アレルギー学会・Asia Pacific Academy of Pediatric Allergy, Respiratory & Immunology合同大会において発表を行った。現在、2022年度成果について論文投稿中である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

2022年度は原因食物別の拒否感の精査を行い、原因食物ごとに拒否感の形成過程が異なる可能性と、特に卵と牛乳が原因食物である場合に拒否感が形成されやすいことが明らかとなった。それを基に、臨床心理士と小児アレルギー科医で構成される専門家チームで原因食物に対する拒否感の形成を予防するためのプログラム(PPPFA)を作成することができた。来年度に向けて、そのフィージビリティ調査の倫理申請も行え、概ね順調に研究は進展している。

今後の研究の推進方策

2023年度は2022年度に作成した原因食物別の心理的介入プログラム(PPFA)のフィージビリティ調査ならびに有効性の検討を行い、来年度はじめから研究対象者の募集を行う。その効果の検討を2024年度以降にまとめ、同時に長期的効果の検討も行っていく。
研究対象者の募集、研究の実施は実用化後の汎用を考慮し、オンラインですべて行う予定である。研究対象者の募集については、研究協力者と密に連携を取り、十分な人数を確保する。
2022年と同様に、論文投稿ならびに成果発表を積極的に行う。

次年度使用額が生じた理由

学会がオンライン参加となり、計画していた旅費の支出が縮小されたが、来年度以降さらに積極的に心理学のみならずアレルギー学等への成果発表の学会発表を行う予定である。
物品の購入については、来年度にプログラム実施予定であるため研究実施のための物品を来年度購入する。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2023 2022

すべて 雑誌論文 (1件) (うち国際共著 1件、 査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (3件)

  • [雑誌論文] Longitudinal study of the relationship between number of prior miscarriages or stillbirths and changes in quality of life of pregnant women: the Japan Environment and Children’s Study (JECS)2023

    • 著者名/発表者名
      Kaori Futakawa, Kenta Matsumura, Akiko Tsuchida, Mizuho Konishi, Hatoko Sasaki, Hidetoshi Mezawa, Kiwako Yamamoto-Hanada, Hidekuni Inadera, Tomomi Hasegawa, the Japan Environment and Children’s Study Group
    • 雑誌名

      BMC Pregnancy and Childbirth

      巻: - ページ: -

    • 査読あり / オープンアクセス / 国際共著
  • [学会発表] 食物アレルギー児とその養育者の心理面に関する検討 ―アレルギー症状との関連から―2022

    • 著者名/発表者名
      小西瑞穂・浅川里穂・山本貴和子・齋藤麻耶子・佐藤未織・百瀬良・大矢幸弘
    • 学会等名
      日本心理学会第86回大会
  • [学会発表] 食物アレルギーの心理面に与える影響に関する実態調査(3)2022

    • 著者名/発表者名
      小西瑞穂・浅川里穂・山本貴和子・齋藤麻耶子・佐藤未織・百瀬良・大矢幸弘
    • 学会等名
      日本健康心理学会第35回大会
  • [学会発表] 心因性食物アレルギーの形成過程の検討2022

    • 著者名/発表者名
      小西瑞穂・浅川里穂・山本貴和子・齋藤麻耶子・佐藤未織・百瀬良・大矢幸弘
    • 学会等名
      第59回日本小児アレルギー学会学術大会APAPARI2022合同大会

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公開日: 2023-12-25  

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