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2022 年度 実施状況報告書

感情体験に対する社会的メタ認知の神経基盤および精神健康への作用の検討

研究課題

研究課題/領域番号 22K03190
研究機関国立研究開発法人理化学研究所

研究代表者

林 明明  国立研究開発法人理化学研究所, 脳神経科学研究センター, 研究員 (90726556)

研究分担者 宮本 健太郎  国立研究開発法人理化学研究所, 脳神経科学研究センター, チームリーダー (20778047)
研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2025-03-31
キーワードメタ認知 / アレキシサイミア / 精神健康
研究実績の概要

令和4年度では、まずは既存の尺度を用いて感情体験と精神健康、およびメタ認知との関連を検討した。自身の感情を言葉で示すことや身体感覚から区別したりすることが困難であるアレキシサイミア傾向を測定するToronto Alexithymia Scale-20(TAS-20)(小牧他, 2003)を使用した。実験参加者は29人(女性15人、年齢平均24.6歳、年齢範囲20-38歳)であった。動くドット群の運動方向の弁別もしくは外的な報酬確率から選択することによってメタ認知を測定するPC課題、および質問紙の回答を求めた。参加者が一人で回答する課題や、他者の回答が呈示される課題など複数の課題が実施された。TAS-20の下位尺度のうち同定困難(DIF)、伝達困難(DDF)および総得点は主観的幸福感を測定するSubjective Happiness Scale(SHS)(鳥井他, 2004)と有意な負の相関があり、伝達困難は精神健康の悪さを測定するK6/K10 (古川他, 2002)と有意な正の相関が認められ、アレキシサイミア傾向が高いほど精神健康が低下することが示された。また、他者の回答が呈示されるメタ認知課題においてのみ、メタ認知指標はTAS-20の同定困難下位尺度および総得点と正の相関を示した。参加者が一人で回答するメタ認知課題では有意な関連はなかった。他者の存在の有無によってメタ認知能力とアレキシサイミア傾向の関連が異なることは、本研究で目的とする他者からの被影響性を取り入れた社会的メタ認知と感情体験の関連へ繋がる可能性を示しており、今後は感情を含めた多種のメタ認知課題を実施しさらなる検討を進めたい。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

尺度を用いて感情体験とメタ認知との関連を検討した。

今後の研究の推進方策

令和5年度では新たに感情のメタ認知に関する尺度を作成し、精神健康との関連を検討する。fMRIによるメタ認知課題中の脳活動を測定し感情体験およびメタ認知の活動部位を特定する。さらに安静時脳活動を測定し、感情および精神健康による影響を調べる。

次年度使用額が生じた理由

既存の尺度を使用したため、やや調査費用が安価となった。次年度使用額として生じた金額は翌年度の調査費用として使用する予定である。

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公開日: 2023-12-25  

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