研究課題/領域番号 |
22K03190
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研究機関 | 国立研究開発法人理化学研究所 |
研究代表者 |
林 明明 国立研究開発法人理化学研究所, 脳神経科学研究センター, 研究員 (90726556)
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研究分担者 |
宮本 健太郎 国立研究開発法人理化学研究所, 脳神経科学研究センター, チームリーダー (20778047)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | アレキシサイミア / メタ認知 |
研究実績の概要 |
前年度の令和4年度にて、他者の存在の有無によってメタ認知能力と自身の感情を言葉で示すことや身体感覚から区別したりすることが困難であるアレキシサイミア傾向を測定するToronto Alexithymia Scale-20(TAS-20)(小牧他, 2003)との間の関連が異なること認められたことから、令和5年度では、まず他者に対する推測と感情体験の関連を検討することとした。動くドット群の運動方向の弁別もしくは外的な報酬確率から選択することによってメタ認知を測定する課題を行った。他者の回答が呈示される条件にて課題を行っている最中を磁気共鳴機能画像法(fMRI)で測定した脳活動 (n=29)について、自己のメタ認知課題を解く際に活動する脳部位のうち、さらに他者のメタ認知を推測する際にも活動する部位があることを特定した。さらにfMRIによる安静時脳活動を測定し、質問紙によって脳活動計測中の思考や測定前後の感情の変化についても計測を行い(n=28)、現在指標間の関連を解析中である。また、課題中脳活動から特定された他者のメタ認知を推測する際に活動した部位に対し、経頭蓋磁気刺激法(TMS)による刺激を行い、刺激のない条件や刺激部位の違いによって他者のメタ認知に対する推測が異なるかどうかを測定した(n=16)。今後はデータ数を増やすとともアレキシサイミア傾向と感情の変化について解析を進める予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
fMRIによる脳活動の測定、経頭蓋磁気刺激法(TMS)による脳刺激の実験まで進めることができた。
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今後の研究の推進方策 |
令和6年度では磁気共鳴機能画像法(fMRI)の実験および経頭蓋磁気刺激法(TMS)によって他者を推測する脳部位を刺激する実験についてデータ数を増やし、さらに課題中や安静時に測定した脳活動と感情体験および精神健康に関する解析を進める予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
前年度と等しい条件にて検討するため、令和5年度では引き続き既存の質問紙を使用した。感情に対する質問紙の開発をするための調査費は、次年度に磁気共鳴機能画像法(fMRI)や経頭蓋磁気刺激法(TMS)による実験のデータ数を増やすために使用する。
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