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2022 年度 実施状況報告書

ネズミの不快感を最小限にした味覚嫌悪学習実験技法の確立

研究課題

研究課題/領域番号 22K03204
研究機関関西学院大学

研究代表者

中島 定彦  関西学院大学, 文学部, 教授 (40299045)

研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2025-03-31
キーワード味覚嫌悪学習 / ラット / マウス / 走行 / 辛味 / 雌雄差
研究実績の概要

被験体であるラットやマウスの不快感を最小限にした味覚嫌悪学習実験技法の確立のため、2022年度は以下の4つについて研究を行った。
(1)摂食・摂水制限をしなくても摂取する味覚刺激として、さまざまな食物(複数のチーズ商品、サツマイモ、ジャガイモ、ナガイモ)を被験体に与えて摂取量を測定した。
(2)内臓不快感を引き起こす塩化リチウムを投与された他個体と一緒にいるだけで(当該被験体は不快処置を受けていないのに)味覚嫌悪学習が生じるという「中毒他個体効果」の再現実験を行い、得られた効果は小さいものの再現に成功した。
(3)辛味溶液を用いて味覚嫌悪学習が生じるかを複数の実験でに検討した。強い辛味は人にとって不快であるが、ラットやマウスではヒトが飲めない濃度の辛味溶液も容易に摂取することから、辛味を感じていないのか、それとも感じているが不快ではないのかを探ることを目的とした実験である。
(4)自発的な回転カゴ走行はラットやマウスにとって不快ではないが、味覚嫌悪学習を引き起こす。特にマウスは回転かごに閉じ込めなくても、勝手に回転かごに入って走る(その結果、走行前に食べた味覚を避けるようになる)。しかしラットでは、回転カゴへの閉じ込めが必要だというのが、これまでの知見であった。そこで活動性の高い系統のラットを用いて、閉じ込めなくても勝手に回転かごに入って走り、味覚嫌悪学習を示すかどうか検討した。残念ながら、勝手に回転かごに入って走ることはなかった。また、オスよりも活動性の高いメスでも走行性味覚嫌悪学習の実験を実施して雌雄差を検討し、内臓不快感を引き起こす塩化リチウムで形成する味覚嫌悪学習の雌雄差と比較した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

上記のように4種類の実験テーマを進めることができた。各テーマについても複数の実験を実施し、合計16の実験を実施した。ただし、初年度であるため成果としては学会発表2件にとどまっていて、学術誌への論文発表には至っていない。ただし既に論文1篇を投稿中であり、もう1篇を現在執筆しているところである。また、2023年度に国際会議1件を含む3つの学会大会で合計3件の発表を予定している。

今後の研究の推進方策

すでに実施した実験を論文化するため、追加実験・再現実験を行うとともに、新たなサブテーマでの実験を開始する。また、学会発表や論文での成果発信に努める。なお、2023年度4月より1名の大学院生を指導することとなったので、その助力を得てこれまでの研究計画を発展させる予定である。

次年度使用額が生じた理由

コロナ禍が継続していたため、実験補助者として雇用を予定していたシルバー人材センターからの派遣が思うように進まなかった。2023年5月に新型コロナウイルス感染症が5類感染症に移行したため、コロナ禍前のペースで派遣がなされる予定であり、やや遅れた実験を2023年度に実施する。なお、2023年度に国際学会での発表を予定していたため、2022年度の使用額を控えたという側面もある。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2022

すべて 学会発表 (2件)

  • [学会発表] ラットの味覚嫌悪学習における性差2022

    • 著者名/発表者名
      李夢巍・中島定彦
    • 学会等名
      日本基礎心理学会第41回大会
  • [学会発表] 水溶性唐辛子を用いたラットの辛味嫌悪学習課題2022

    • 著者名/発表者名
      奥田研志・中島定彦
    • 学会等名
      日本基礎心理学会第41回大会

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公開日: 2023-12-25  

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