今後の研究の推進方策 |
ある種のp進微分方程式の解の対数的増大度を上から評価するために, Dworkにより導入されたのが生成点での解の対数的増大度とよばれる不変量である. この不変量は, Chiarellotto-Tsuzukiにより, ある非アルキメデス完備微分体上の有限微分加群のフィルトレーションとして再解釈された. 今後の研究の目標は, この構成を, より広いクラスの非アルキメデス完備微分体上の有限微分加群に対して一般化することが目標である.
Chiarellotto-Tsuzukiの構成は, Dwork, Robbaによるある非可換位相環のイデアルに関する結果に基礎をおいている. 今年度証明した分解定理を導く際の重要なステップとして, この結果を一般化した. この一般化を使いChiarellotto-Tsuzukiの構成を繰り返す方針で研究を推進する.
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