研究課題/領域番号 |
22K03230
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研究機関 | 名古屋工業大学 |
研究代表者 |
水野 義紀 名古屋工業大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (30546388)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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キーワード | アイゼンシュタイン級数 / 正規化ノルム / Girstmairの公式 / グロス・ザギエ公式 / 類数 / 長沼リフト / 斎藤・黒川リフト |
研究実績の概要 |
1.ヒルベルト・モジュラー形式に関する長沼リフトをアイゼンシュタイン級数の場合に明示し、像と原像の正規化内積を用いて周期公式を導いた。2.特異モジュラスに関するグロス・ザギエ公式を、互いに素とは限らない基本判別式の組の場合に拡張した。ハッチンソン予想を自然に拡張した形で証明できたことになる。ハッチンソン予想の証明について、インドで開催された整数論に関する研究集会と愛知数論セミナーで口頭発表し、さらに昨年度のRIMS集会での口頭発表の報告書を執筆した。名城大学の集中講義でもグロス・ザギエ公式を取り上げ、細部の解説と併せて精密な講義ノートを作成した。3.三井のディリクレ級数を全複素平面に解析接続した結果を名城大学談話会で口頭発表した。4.虚二次体の類数を位取り記数法で記述するGirstmairの類数公式を一般化した論文A certain character twisted average value of the digits of rational numbers and the class numbers of imaginary quadratic fieldsがActa Arithmetica誌に掲載された。5.ヒルツェブルフ和と実及び虚二次体の類数に関する合同式を扱ったJigu Kimとの共著論文Congruences for class numbers of Q(√±p) when p is primeがThe Ramanujan Journal誌に受理された。6.正規化ノルムを利用してアイゼンシュタイン級数のグロス・コーネン・ザギエ公式を定式化したプレプリントは前向きな査読報告を受け、受理に向けて改訂作業を進めている。次年度中には受理されると期待している。7.Hans Maassの奇数重さ斎藤・黒川リフトを完全なものにする可能性について林田秀一と意見交換を行った。8.新種の概均質ゼータを定義し、その明示公式を与えた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
アイゼンシュタイン級数の場合に長沼リフトに関連する正規化内積の比の公式が求められたこと、ヤコビ形式に関する正規化ノルムの論文が受理に近づいたことが第一の理由として挙げられる。その他、ハッチンソン予想を拡張した形で証明できたこと、派生する問題についても結果が得られていること、論文が順調に掲載・受理・作成できていることを理由に挙げる。
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今後の研究の推進方策 |
予定どおり実例を中心に正規化ノルムを計算していく。計算結果がたくさん蓄積されてきているので、その意味づけを与える。例えば、アイゼンシュタイン級数の場合には正規化ノルムが消えることもあり、浅井・ザギエ等によるカスプ形式の場合の諸結果との比較は興味あることである。新種の概均質ゼータの明示公式は、シンプレクティック群の表現やセルバーグ跡公式との関係が期待される。金子昌信氏、林田秀一氏、松坂俊輝氏、Jigu Kim氏らと情報交換しつつ、研究を推進していく予定である。得られた成果の口頭発表・論文作成と、改訂作業も併せて行っていく。
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次年度使用額が生じた理由 |
所属変更に伴い予定の変更が望ましいと判断した所があり、残額が生じた。次年度使用額は、研究集会参加に必要な旅費、情報収集に必要な図書費、論文作成に必要となる印刷機器整備費、パソコン関係の物品費に充てる予定である。
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