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2023 年度 実施状況報告書

LMO関手と曲面の写像類群の部分群の研究

研究課題

研究課題/領域番号 22K03298
研究機関東京電機大学

研究代表者

佐藤 正寿  東京電機大学, 未来科学部, 准教授 (10632010)

研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2026-03-31
キーワードホモロジーシリンダー / LMO関手 / Torelli群 / Johnson準同型 / Goldman-Turaevリー双代数
研究実績の概要

1. 野崎雄太氏、鈴木正明氏との共同研究として、LMO関手を用いて有向曲面のホモロジーシリンダーのY降下列の次数商を調べた。特に次数6のトーション部分は位数3の元のみからなることがわかった。本研究の内容をまとめてプレプリントを作成中である。
次数商に奇数位数が現れたのは初めてであり重要な結果であると言える。またこの次数商は曲面の写像類群の部分群である、Torelli群の降中心列の次数商と大きく関係しており、その観点からも重要な対象である。なお、LMO関手の以前得られた研究結果について口頭発表2件と集中講義を行った。
2. Gwenael Massuyeau氏、Quentin Faes氏との共同研究として、Torelli群の次数商に関する研究を行った。この次数商に有理数をテンソルしたものはHain、Garoufalidis-Getzler、森田-逆井-鈴木などにより高次まで調べられている。次数商そのものを整係数で調べ、特に次数2の部分を決定した。現在プレプリントを作成中である。
3. 久野雄介氏との共同研究として、Goldman-Turaev Lie双代数を用いたJohnson余核の構成を試みた。Johnson準同型とは、Torelli群の降中心列の次数商から自由Lie代数のシンプレクティック微分Lie代数への準同型であり、この余核を調べた。方針として、シンプレクティック微分Lie代数には、Conantにより構成されたJohnson準同型の余核が知られており、これを幾何的に解釈することを目指している。
また、研究集会「写像類群の部分群のコホモロジーと特殊線型群の表現」を開催し、Dimca-Papadima-HainのJohnson核のアーベル化の研究の紹介として口頭発表を2件行った。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

昨年度はJohnson準同型の余核の研究について進展が見られなかったが、Goldman-Turaev Lie双代数の次数商の言葉でConantの余核を表せた点で進展があった。
またそれ以外に、ホモロジーシリンダーの次数商の研究、および、Torelli群の降中心列の次数商の研究についても結果としてはほぼまとまりプレプリントを作成中であるため、研究は順調に進展していると考えている。

今後の研究の推進方策

今年度中に、ホモロジーシリンダーのY降下列の次数商の研究、および、Torelli群の次数商の研究についてプレプリントを発表したいと考えている。また、まずはJohnson準同型の余核の研究を進めたいと考えている。研究が順調に進展すればLMO関手の2ループ部分の幾何的な意味を調べたいと考えている。

次年度使用額が生じた理由

未だ新型コロナウイルスの影響があることと、昨年度の研究の進展が順調ではなかったこととにより、研究発表等を含む出張の回数が予定より少なくなったため、次年度使用額が生じている。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2023 その他

すべて 国際共同研究 (2件) 学会発表 (2件) (うち招待講演 2件)

  • [国際共同研究] University of Burgundy(フランス)

    • 国名
      フランス
    • 外国機関名
      University of Burgundy
  • [国際共同研究] University of Zurich(スイス)

    • 国名
      スイス
    • 外国機関名
      University of Zurich
  • [学会発表] LMO関手によるTorelli群の降中心列の次数商の評価2023

    • 著者名/発表者名
      佐藤正寿
    • 学会等名
      佐賀大学・学習院大学合同トポロジーセミナー
    • 招待講演
  • [学会発表] LMO関手による写像類群の部分群の可換商2023

    • 著者名/発表者名
      佐藤正寿
    • 学会等名
      数理科学科談話会・東京理科大学幾何学セミナー
    • 招待講演

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公開日: 2024-12-25  

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