• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2022 年度 実施状況報告書

3次元多様体の幾何構造と結び目不変量

研究課題

研究課題/領域番号 22K03307
研究機関東京農工大学

研究代表者

合田 洋  東京農工大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (60266913)

研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2027-03-31
キーワード結び目 / アレキサンダー多項式 / ねじれアレキサンダー多項式 / ファイバー結び目 / 体積
研究実績の概要

交付申請書,研究の目的(I)の高次ねじれアレキサンダー多項式の係数の明示公式を与えるという目標に関して,8の字結び目のホロノミー表現に付随する高次ねじれアレキサンダー多項式の係数が整数になることの証明ができた.これは研究協力者である森藤孝之氏との共同研究である.この結果から,その自然対数が8の字結び目の体積に収束する整数列が得られたことになる.この結果と先のファイバー結び目の体積表示に関わる研究をまとめて,A volume presentation of a fibered knot というタイトルの論文を森藤孝之氏と共同執筆し投稿した.その結果Tohoku Mathematical Journalから掲載決定の通知をいただけた.この研究内容は12月に日本大学文理学部で開催された研究集会「結び目の数理V」で発表した.この結果をさらに発展させるべくコンピュータによる計算機実験および考察を進めている.
2月に上越市で開催されたセミナーに参加し,研究代表者の過去の研究に基づき研究を進めたアメリカとメキシコの研究者の最新の研究内容について発表,意見交換を行った.
研究目的(II)の様々なゼータ関数と結び目不変量について,研究の基礎となる量子ウォークに関する勉強を進めた.3月にこれも日本大学文理学部にて国際研究集会「Breadth in low-dimensional topology」をオーガナイザーとして開催し,研究最先端の情報の収集,情報交換を行うことができた.この国際研究集会では研究代表者の過去の研究とその後の研究進展に関するサーベイレクチャーを行った.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

8の字結び目のホロノミー表現に付随する高次ねじれアレキサンダー多項式の係数が整数になることの証明ができた.この結果から,その自然対数が8の字結び目の体積に収束する整数列が得られたことになり,計画の一つである高次ねじれアレキサンダー多項式の係数の明示公式に一歩近づけた.そしてこの結果と先のファイバー結び目の体積表示に関わる研究をまとめて,A volume presentation of a fibered knot というタイトルの論文をTohoku Mathematical Journalに投稿し,掲載決定の通知をいただけた.
研究目的(II)の様々なゼータ関数と結び目不変量について,研究の基礎となる量子ウォークに関する勉強を進めた.また3月に日本大学文理学部で国際研究集会「Breadth in low-dimensional topology」をオーガナイザーとして開催し,研究最先端の情報の収集,情報交換を行うことができた.

今後の研究の推進方策

コロナによる出張規制が緩和されてきたので今年度は予定の出張を行い,研究最新情報の収集や研究成果の発表を行いたいと考えている.具体的には,8月に奈良で開催されるトポロジーシンポジウム,12月に東京女子大学で開催される結び目の数理(VI)に参加することを予定している.また早稲田大学との共同公開セミナーを開催し関連する様々な専門的知識の提供を受けることを企画している.
zoom参加の予定ではあるが9月に予定されている国際研究集会「Iberoamerican and Pan Pacific International Conference on Topology and its Applications」にてこれまでの研究成果を講演する予定である.
研究目的(II)の様々なゼータ関数と結び目不変量について,研究の基礎となる量子ウォークに関する勉強をさらに進めたい.
研究目的(IV)の結び目群の量子化された線形表現と結び目不変量については,4月から客員教授を務めている早稲田大学にこの分野の最先端の研究を行っておられる研究者の方が在籍されているので,機会あるごとに情報の教示を受けたいと考えている.

次年度使用額が生じた理由

3月19日~21日の国際研究集会「Breadth in low-dimensional topology」を開催するにあたり,アメリカから招聘を予定していた研究者が様々な理由から来日できずzoomによる参加となったため,予定していた旅費を使用しなかった.
コロナによる出張規制が緩和されてきたので研究発表や研究連絡,研究最新情報の収集のための出張を計画している.具体的には8月に奈良で行われるトポロジーシンポジウム,9月に山形で行われる東北結び目セミナー,11月に島根で行われる「Topology and Geometry of Low-Dimensional Manifolds 2023」という国際集会,2月に京都で行われる国際集会「East Asian Conference on Geometric Topology」,3月に大阪で行われる日本数学会2024年度年会に参加することを計画している.

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2023

すべて 学会発表 (1件) (うち国際学会 1件)

  • [学会発表] Around Heegaard splittings for sutured manifolds2023

    • 著者名/発表者名
      Hiroshi Goda
    • 学会等名
      Breadth in low-dimensional topology
    • 国際学会

URL: 

公開日: 2023-12-25  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi