研究課題/領域番号 |
22K03315
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研究機関 | 山口大学 |
研究代表者 |
宮澤 康行 山口大学, 大学院創成科学研究科, 教授 (60263761)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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キーワード | linkoid / 多項式不変量 / 結び目理論 |
研究実績の概要 |
研究集会「Breadth in low-dimensional topology」において,題目「1-trivial dichromatic links and kd(1)-linkoid invariants」の講演を行い研究成果を発表した。同名の論文はすでに執筆済みであり,現在投稿に向けて最終チェックを行っているところである。済み次第,専門雑誌に投稿する予定である。
1-trivial dichromatic linkとは,成分の一つに自明な結び目を含みその自明な結び目成分に“1”,それ以外のすべての成分に対し“2”と2色で彩色した2成分以上からなる絡み目のことである。標準的なソリッドトーラスVの境界上のメリディアン(サークル)とV内に埋め込まれた絡み目の組を想像すればよいであろうか。講演では,kd(1)-linkoidと呼ばれるknotoid成分が一つだけであるlinkoidに対して既に定義されている不変量を材料に,1-trivial dichromatic link と呼ばれる絡み目の不変量が定義できることを示し,その応用として,linkoidの多項式不変量を用いてwrapping numberと呼ばれる幾何学的な量の評価式を与えることに成功したことを報告した。
幾何学的な量を決定することにはしばしば困難がつきまとう。wrapping numberもその例に漏れず決定は容易ではないが多くの場合に評価式が有効となれば,wrapping numberに関係する研究,例えば3次元多様体論など,の進展に貢献できる可能性がある。その意味で十分価値ある結果であると考えられる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究の第1段階である“knotoid”の多項式不変量の構成手法の模倣に関し,“linkoid”への適用を阻害する障害の解析が順調に進んでいると考えられるため,現時点では研究に大きな遅れはないと判断する
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今後の研究の推進方策 |
“linkoid”の多項式不変量の構成に向けて,まずはこれまでの調査結果を精査・分析し,適用への障害を回避する手法を構築することを検討する。
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウイルス感染拡大防止のためオンライン化された研究集会等があり,旅費として使用を計画していた予算を執行できなかったため。次年度の旅費の一部および研究環境改善のための物品購入に充てる予定である。
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