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2022 年度 実施状況報告書

リーマン面の正則写像の研究――リーマン面の接続の空間の幾何と応用

研究課題

研究課題/領域番号 22K03356
研究機関山口大学

研究代表者

増本 誠  山口大学, 大学院創成科学研究科, 教授 (50173761)

研究分担者 柴 雅和  広島大学, 先進理工系科学研究科(工), 名誉教授 (70025469)
中村 豪  愛知工業大学, 工学部, 教授 (50319208)
増本 周平  愛知工業大学, 工学部, 講師 (30803861)
研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2026-03-31
キーワードリーマン面 / 等角写像 / 圏 / タイヒミュラー空間
研究実績の概要

Rを把手の数,すなわち種数gが有限な開リーマン面とする。Rを等角に埋め込ませる同種数の閉リーマン面全体の集合をタイヒミュラー空間の枠組みで考察し,多くの成果を得てきた。では,gより大きな整数Gを選び,Rを等角に埋め込ませる種数Gの閉リーマン面全体の集合はどのような性質をもつであろうか。この問題を考察するのにふさわしい枠組みの構成を試みた。タイヒミュラー空間の点はリーマン面ではなくリーマン面と写像の組の同値類であるため,RからSの中への連続写像の意味を明確にするために,以前の研究においては,種数gのリーマン面RとRの把手に印を付けるある種の写像の組全体を考え,それらの同値類を対象とし,適切に定義された連続写像を射とする圏を導入した。種数gのタイヒミュラー空間はそれの充満部分圏として規定される。この考え方を一般化し,種数Gのリーマン面RとRのG個の把手の中からg個を選んで印を付ける写像の組から圏を構成した。この圏は完備擬距離付け可能かつ可分である。擬距離0の元を同一視することにより,可分な完備距離付け可能空間Fが得られる。Fは圏ではないが,研究を展開する枠組みとしてふさわしいように思われる。Fの元のうち,種数Gの閉リーマン面から得られる点の集まりをTとかく。Gがgに等しいとき,Tは種数Gのタイヒミュラー空間と同相である。一般の場合,Tの普遍被覆空間は種数Gのタイヒミュラー空間になり,被覆写像が正則になるようにTに複素構造を導入することが示された。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

研究の枠組みの候補Fが明確になったから。Fが特異点を持たず,複素多様体になることが分かったことは重要な成果である。

今後の研究の推進方策

種数gの開リーマン面を等角に埋め込ませる種数Gの閉リーマン面の全体がFのどのような部分集合であるか調べる。その位相的性質や境界点の特徴付けなど調べてみたい課題が多くある。Gとgが等しい場合に得られた結果をヒントに研究を進めていくことになろう。

次年度使用額が生じた理由

コロナ禍のため,計画していた中国での研究集会が開催できなかった。翌年度は,中国を訪問するか,または,海外から専門家を招聘し,国外の専門家との研究打合せをすることにより研究の進展に結びつけたい。

  • 研究成果

    (8件)

すべて 2023 2022

すべて 学会発表 (8件) (うち招待講演 7件)

  • [学会発表] リーマン面の閉接続の一意性について2023

    • 著者名/発表者名
      増本誠
    • 学会等名
      「リーマン面・不連続群論」研究集会
    • 招待講演
  • [学会発表] Rigidity theorems in corona algebras2022

    • 著者名/発表者名
      増本周平
    • 学会等名
      セミナー in 詫間
    • 招待講演
  • [学会発表] リーマン面の極値的閉接続2022

    • 著者名/発表者名
      増本誠
    • 学会等名
      セミナー in 詫間
    • 招待講演
  • [学会発表] 種数3の向き付け不可能な極値的曲面に対応する対称リーマン面2022

    • 著者名/発表者名
      中村豪
    • 学会等名
      東工大複素解析セミナー
    • 招待講演
  • [学会発表] Rigidity theorems in corona algebras2022

    • 著者名/発表者名
      増本周平
    • 学会等名
      Prospects of Theory of Riemann Surfaces
    • 招待講演
  • [学会発表] Duality theorems of Riemann-Roch type and the realized ideal boundary in the hydrodynamic closings of an open Riemann surface2022

    • 著者名/発表者名
      柴雅和
    • 学会等名
      Prospects of Theory of Riemann Surfaces
    • 招待講演
  • [学会発表] On uniqueness of closed continuations of Riemann surfaces2022

    • 著者名/発表者名
      増本誠
    • 学会等名
      Prospects of Theory of Riemann Surfaces
  • [学会発表] Symmetric Riemann surfaces derived from extremal Klein surfaces of genus three2022

    • 著者名/発表者名
      中村豪
    • 学会等名
      Prospects of Theory of Riemann Surfaces
    • 招待講演

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公開日: 2023-12-25  

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