研究課題/領域番号 |
22K03363
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研究機関 | 九州産業大学 |
研究代表者 |
濱田 英隆 九州産業大学, 理工学部, 教授 (30198808)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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キーワード | Rieszの不等式 / リプシツ連続 / ハーディ空間 / 多重調和関数 / 合成作用素 / ブロック空間 / Fekete-Szego不等式 |
研究実績の概要 |
(1) 単位円盤上の複素数値調和関数について以下の研究を行った。Kalajは、単位円盤上の複素数値調和関数がハーディー空間H^p (p>1)に属するならばそのanalytic part 及びcoanalytic partも同じH^p (p>1)に属するというRiesz型定理を示しているが、本研究では、pがそれ以外の場合に調べ、Hardy-Littlewood型の定理を得ている。 (2) 上記のKalajによる単位円盤上の複素数値調和関数に対するRiesz型定理をC^n内の有界対称領域上の複素数値多重調和関数に拡張した。また、p=1やpが無限大の場合にも調べ、Hardy-Littlewood型の定理を有界対称領域上で得ている。また、本研究では、この結果を、R^n内の領域上で、より一般的なfast majorant に関するLipschitz連続性に拡張し、更に、グラージエントを用いた同値な条件も与えている。 (3) 単位円盤上の複素数値調和関数のリプシツ空間から、複素n次元のユークリッド単位球上の多重調和関数のリプシツ空間への合成作用素に関する研究を行った。まず、合成作用素が、単位円盤上の複素数値調和関数のリプシツ空間を複素n次元のユークリッド単位球上の多重調和関数のリプシツ空間へ写すための必要十分条件を、(多重)調和関数のリプシツ空間のグラージエントを用いた特徴付けを応用することにより、与えた。また、w-コンパクトであるための十分条件を与えた。 (4) 単位円盤上の調和関数のブロック型空間からC^n内のユークリッド単位球上の多重調和関数のハーディー空間やブロック型空間への合成作用素が有界やコンパクトになる特徴づけを与えた。 (5) 任意の複素バナッハ空間の単位球上のclose-to-quasi-convex mappings of type Bに対して、テイラー展開の2次の項と3次の項だけに関する制限に弱めて、これまでとは別の証明方法を用いて、これまでと同様のFekete-Szego不等式を得ている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
(1) 研究成果をまとめて、論文として発表することが出来た。 (2) 国際学会の招待講演や日本数学会の一般講演で研究成果を発表することが出来た。
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今後の研究の推進方策 |
(1) Dyakonov (Acta. Math., 1997), Pavlovic (Acta. Math., 1999)は、単位円盤上の正則関数fの絶対値がLipschitz連続であれば、fもLipschitz連続であることを証明した。本研究では、この結果のpノルム版のLipschitz連続性及び調和関数への拡張について研究する。 (2) 有界対象領域上の多重調和ブロック関数や多重調和ブロック空間の間の合成作用素について研究する。 (3) 有界対象領域上の多重調和ハーディ関数や多重調和ハーディ空間の間の合成作用素について研究する (4) ある種の微分方程式のディリクレ解のリプシツ連続性について研究する。
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次年度使用額が生じた理由 |
(理由) 学生の教育や大学運営業務に予想以上に時間をとられ、予定していた出張を取りやめたため。 (使用計画) 次年度使用額を次年度の旅費や研究に必要な備品・消耗品等に充当する予定である。
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