研究課題/領域番号 |
22K03368
|
研究機関 | お茶の水女子大学 |
研究代表者 |
竹村 剛一 お茶の水女子大学, 基幹研究院, 教授 (10326069)
|
研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
|
キーワード | q超幾何関数 / ジャクソン積分 / ミドルコンボルーション / アクセサリーパラメーター / ホインの微分方程式 / 変異版q超幾何方程式 / qホイン方程式 |
研究実績の概要 |
特殊関数の重要な例として超幾何関数を挙げることでき、数学や物理のさまざまな場面で現れている。超幾何微分方程式は超幾何関数を解とする微分方程式であり、3点に確定特異点をもつということで特徴付けがされている。これを4点確定特異点としたものがホインの微分方程式であり、アクセサリーパラメーターをもつ微分方程式である。また、超幾何微分方程式のq差分化としてq超幾何方程式が古くから知られている。ホインの微分方程式のq差分化としてqホイン方程式が知られている。ここ数年でqホイン方程式の研究やq超幾何方程式の変異版の研究がすすんできた。 今年度は、お茶の水女子大学の大学院生である新井由美氏と共同研究を行い、qミドルコンボルーションの収束性および変異版q超幾何方程式について研究成果を得ることができた。qミドルコンボルーションは坂井氏・山口氏(2017 IMRN)により導入されており、q変形された積分であるジャクソン積分との関係も調べられていた。新井氏と報告者により、qミドルコンボルーションに付随するジャクソン積分に対して1パラメーター拡張を行った上で収束性に関する議論も含めて再定式化を行った。そして、この再定式化されたqミドルコンボルーションを用いることで、変異版q超幾何方程式のいくつかの解を導出することができた。 また、中央大学大学院博士前期課程を修了した佐々木氏、高木氏との共同研究により得られたqパンルヴェ方程式の初期値空間とqホイン方程式およびその変異版に関する論文およびqミドルコンボルーションとqパンルヴェ方程式に関係する論文について改訂を経て採択された。他に2本の論文が採択された。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
qホイン方程式やqパンルヴェ方程式に関する研究について、論文として出版することができた。 また、qミドルコンボルーションや変異版q超幾何方程式の研究を推進することができた。
|
今後の研究の推進方策 |
アクセサリーパラメーターをもつ差分方程式や微分方程式の解について、さらに研究を推し進める。 とくに、qミドルコンボルーションと関係するq積分変換とその周辺について研究を深めていき、qホイン方程式の解などについて調べていく。
|
次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウイルスのため海外出張の実施が困難となり、予算執行の方向性に大幅に変化が生じたため次年度使用額が生じた。 研究の実施環境が変化したことに対応して、科研費を有効に使用していきたい。コロナ感染状況が落ち着く方向であればおもに旅費に充て、感染状況により再び制約がかかる場合には研究環境の整備などのために物品費に充てることを想定している。
|