研究課題/領域番号 |
22K03375
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研究機関 | 奈良女子大学 |
研究代表者 |
柳沢 卓 奈良女子大学, 自然科学系, 教授 (30192389)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 調和ベクトル場 / Helmholtz-Weyl分解 / 位相的不変量 |
研究実績の概要 |
小薗英雄,清水扇丈,M.Hieber,A.Seyfert等との共同研究により得られた,3次元Euclid空間における滑らかな境界をもつ外部領域上のLr-調和ベクトル場のなす空間の構造に関する幾つかの結果を公表した. 具体的には,コンパクトではない外部領域上であっても,接線的な調和ベクトル場のなす空間Xrと法線的な調和ベクトル場のなす空間Vrは共に有限次元空間となることを示し,更にそれぞれの空間の次元と領域の位相的不変量との関係を明示的に与え,その結果を論文として公表した. 公表論文においては,与えられた外部領域の境界連結成分がL個で,各境界連結成分に付随するdisjointなカット面をそれぞれN_i(i=1,2,...,L)個とると領域を単連結にすることが出来るとすれば,空間Xrの次元については,全ての1<r<∞に対して,N_1+...+N_Lで与えられることを示した.一方,空間Vrの次元については,1<r≦3/2なるrに対しては L-1,3/2<rなるrに対しては L で与えられることを示した.すなわち,外部領域上のLr-調和ベクトル場のなす空間Vrは,r=3/2を閾値としてその構造が変化するが明らかになった.このような性質は,有界領域上の調和ベクトル場のなす空間はもたないことが知られている為,外部領域上の調和ベクトル場のなす空間のもつ著しい特徴の一つと考えられる. 尚,空間Xrの次元を領域の位相的不変量で決定する際に用いた手法も,既存のFoias-Temam等の方法を若干変更したものになっている.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2次元及び3次元外部領域上のLrベクトル場に対するHelmholtz-Weyl分解定理に関わる結果を全て公表することが出来た.
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今後の研究の推進方策 |
得られた外部領域上のLrベクトル場に対するHelmholtz-Weyl分解定理の応用として,Div-Curl Lemma及び外部領域上のNavier-Stokes方程式やMHD方程式の解の安定性解析等について考察を進める.
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次年度使用額が生じた理由 |
当初購入予定であったパソコン,トナー,ソフトについては,現有機器がまだ使用出来ることとOS変更時期の調整の為,次年度以降に購入することとした.洋書等の書籍購入については,昨年度は円安による急激な価格高騰があった為,次年度以降の購入に変更した.国内旅費については,コロナの関係で出張が困難であった為,オンラインによる研究連絡を行ったので使用しなかった.一方,本年に入り海外からの研究者の来訪があり共同研究を開始し為,謝金・人件費を使用した.次年度からは,積極的に国内及び海外への出張を行い共同研究を推進する予定である.また,円の動きを見ながら,必要書籍の購入を進める.
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