研究実績の概要 |
セル・オートマトン(CA)は様々なフラクタルを生成することが知られている。これらフラクタルの構造の違いを``測る''新しい方法として、フラクタル生成過程を表現する分布関数を用いる方法を提案している。これまでの研究により、低次元(一次元と二次元)の対称2状態CAは、時間発展パターンが自己相似性を持つときに比較的シンプルな分布関数を与えることが分かっていた。 今年度は、2状態CAから生成される分布関数について、既存の低次元対称2状態CAに対する結果を整理し、多次元対称2状態CAに対する拡張を与えた。これまでの研究で具体的に分布関数を書き下すことができていた低次元CAの規則をD次元CAの規則に拡張し、それらのCAから分布関数が得られることを確認することができた。これらの分布関数はCAの時間発展パターンの特徴を継承しており、時間発展パターン(フラクタル)の分類指標として機能しうることも確認できた。 また、正方格子以外にも、三角格子と六角格子上のCAから得られる分布関数について調べた。 これらの結果に関しては、プレプリント(Akane Kawaharada, ``$D$-dimensional cellular automata provide Salem's singular function $L_α$ with $α=1/(2D+1)$ and $1/(2^D+1)$", arXiv:2207.13557, 2022.)にまとめて報告している。
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