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2022 年度 実施状況報告書

セル・オートマトンが生成するフラクタルの分布関数による分類

研究課題

研究課題/領域番号 22K03435
研究機関京都教育大学

研究代表者

川原田 茜  京都教育大学, 教育学部, 講師 (70710953)

研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2026-03-31
キーワードセル・オートマトン / フラクタル / 特異関数
研究実績の概要

セル・オートマトン(CA)は様々なフラクタルを生成することが知られている。これらフラクタルの構造の違いを``測る''新しい方法として、フラクタル生成過程を表現する分布関数を用いる方法を提案している。これまでの研究により、低次元(一次元と二次元)の対称2状態CAは、時間発展パターンが自己相似性を持つときに比較的シンプルな分布関数を与えることが分かっていた。
今年度は、2状態CAから生成される分布関数について、既存の低次元対称2状態CAに対する結果を整理し、多次元対称2状態CAに対する拡張を与えた。これまでの研究で具体的に分布関数を書き下すことができていた低次元CAの規則をD次元CAの規則に拡張し、それらのCAから分布関数が得られることを確認することができた。これらの分布関数はCAの時間発展パターンの特徴を継承しており、時間発展パターン(フラクタル)の分類指標として機能しうることも確認できた。
また、正方格子以外にも、三角格子と六角格子上のCAから得られる分布関数について調べた。
これらの結果に関しては、プレプリント(Akane Kawaharada, ``$D$-dimensional cellular automata provide Salem's singular function $L_α$ with $α=1/(2D+1)$ and $1/(2^D+1)$", arXiv:2207.13557, 2022.)にまとめて報告している。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

任意の次元における線型対称2状態半径1CAの時間発展パターンから関数を構成し、その解析とフラクタルの分類を行うことができたため。
またその結果を論文にまとめることができたため。

今後の研究の推進方策

今年度の研究業績から、2状態CAの軌道に関する結果が多く得られたので、次年度以降は3状態以上の多状態CAの軌道に関して、研究を進めていきたい。

次年度使用額が生じた理由

予定していた国際研究集会(2件)、国内研究集会(1件)への参加を取りやめたため。
次年度の国際研究集会と国内研究集会への参加旅費として使用予定。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2022

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (3件)

  • [雑誌論文] Cellular automata that generate symmetrical patterns give singular functions2022

    • 著者名/発表者名
      Kawaharada Akane
    • 雑誌名

      Physica D: Nonlinear Phenomena

      巻: 439 ページ: 1~12

    • DOI

      10.1016/j.physd.2022.133428

    • 査読あり
  • [学会発表] 特異関数によるセル・オートマトンの軌道の特徴付け2022

    • 著者名/発表者名
      川原田 茜
    • 学会等名
      RIMS研究集会「可積分系数理の発展とその応用」
  • [学会発表] セル・オートマトンが生成するフラクタルの特徴付けについて2022

    • 著者名/発表者名
      川原田 茜
    • 学会等名
      日本数学会 2022年度 秋季総合分科会(応用数学分科会 特別講演)
  • [学会発表] セル・オートマトンによって生成されたフラクタルの一変数関数による特徴付けについて2022

    • 著者名/発表者名
      川原田 茜
    • 学会等名
      第134回HMMCセミナー

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公開日: 2023-12-25  

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