研究課題
本研究は「物理理論に基づきペプチド抗がん剤を高速設計する手法の開発」を目的とし、研究期間全体を通じて以下の成果を得た。(1) 統計力学に基づく水和熱力学量変化の高速計算法(DAH法)を改良し、分子力学法(MM法)と統合した新たな自由エネルギー関数 G(MM/DAH) を開発した。(2) G(MM/DAH) をタンパク質-ペプチドおよび GPCR-リガンド複合体に適用し、多数の偽構造の中から天然構造を正確に同定することに成功した(特許出願中:特願2023-221583)。(3) 天然構造が未知と仮定した標的タンパク質-ペプチド複合体について、AlphaFold2 とバイオインフォマティクス手法を用いて構造を予測し、G(MM/DAH) で安定性を評価した。分子動力学シミュレーションと併用することで、天然構造と同等の安定性を持つ構造のデザインに成功した。さらに、複数の変異ペプチドに対する結合能の強弱も再現した。(4) 2024年度には、低分子にも高精度に対応する水和自由エネルギー(HFE)計算法 「cHybrid法」 を開発した。HFE計算において、高い精度・広い適用範囲・低い計算コストの両立は困難である。本研究では、角度依存積分方程式理論、3D-RISM理論、およびと形態計測学的手法を組み合わせ、低分子からタンパク質サイズの分子まで、分子動力学法に匹敵する精度を達成した。この成果により、G(MM/DAH)を低分子創薬にも展開可能となった。
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すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 4件) 学会発表 (2件) (うち国際学会 1件)
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