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2022 年度 実施状況報告書

クライオ電子顕微鏡による中間体を起点としたアミロイド線維形成の高分解能観測

研究課題

研究課題/領域番号 22K03555
研究機関自治医科大学

研究代表者

山本 直樹  自治医科大学, 医学部, 講師 (90580671)

研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2025-03-31
キーワードアミロイド線維中間体 / クライオ電子顕微鏡 / 単粒子解析
研究実績の概要

インスリンに由来するアミノ酸30残基のペプチド、B chainをアミロイド線維形成モデルペプチドとして用い、その形成過程で観測される中間体の立体構造を明らかにするために、クライオ電子顕微鏡による測定を行った。直線的であるアミロイド線維構造に対し、中間体はフレキシブルなヌードル状の外観を呈しており、クライオ電子顕微鏡による構造解析は困難を極めると予想された。しかしながら、既存の単粒子解析ソフトを用いて構造解析を行ったところ、中間体ですでに定まった構造を形成している領域が明らかとなり、中間体においてもある程度の秩序構造形成がすでに起こっていることが示唆された。
また、クライオ電子顕微鏡の予備的検討としてネガティブ染色による透過型電子顕微鏡測定も行ったところ、中間体とアミロイド線維の構造について数nm程度の分解能でその実態を明らかにすることができた。この成果は国際学術論文に掲載された。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

初年度はクライオ電子顕微鏡による中間体およびアミロイド線維の画像を取得し、初期解析を行うことが目的であり、予定通り測定とある程度の解析を行うことができたため。

今後の研究の推進方策

引き続き中間体とアミロイド線維の構造解析を進めることにより、中間体とアミロイド線維で共通している構造、および異なる構造を明らかにする。その情報を元にして、中間体がアミロイド線維に変化する構造基盤を明らかにする。またその知見を基にして、中間体からのアミロイド線維形成を阻害する化合物等の探索を行い、クライオ電子顕微鏡を用いてその阻害機序を明らかにしていく。

次年度使用額が生じた理由

クライオ電子顕微鏡測定に必要な経費を当初想定していたよりも抑えることができた。今度測定回数を増大させるとともに、異なる種類のタンパク質からなるアミロイド線維中間体についても構造を明らかにしていく。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2022

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件)

  • [雑誌論文] Tracking the Structural Development of Amyloid Precursors in the Insulin B Chain and the Inhibition Effect by Fibrinogen2022

    • 著者名/発表者名
      Naoki Yamamoto, Rintaro Inoue, Yoshiteru Makino, Hiroshi Sekiguchi, Naoya Shibayama, Akira Naito, Masaaki Sugiyama, and Eri Chatani
    • 雑誌名

      The Journal of Physical Chemistry B

      巻: 126 ページ: 10797-10812

    • DOI

      10.1021/acs.jpcb.2c05136

    • 査読あり

URL: 

公開日: 2023-12-25  

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