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2022 年度 実施状況報告書

U双対性に基づくブレーン理論の構築

研究課題

研究課題/領域番号 22K03603
研究機関順天堂大学

研究代表者

初田 真知子  順天堂大学, 保健医療学部, 教授 (10364887)

研究分担者 伊藤 昇  茨城工業高等専門学校, 国際創造工学科, 講師 (10580160)
矢田 雅哉  順天堂大学, 医学部, 助教 (60725406)
研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2027-03-31
キーワード超弦理論 / 双対性 / ブレーン / 超対称性 / カレント代数 / 国際共同研究
研究実績の概要

U双対性に基づくブレーン理論の構築について、共同研究者Stony Brook大学のWarren Siegel氏、Di Wang氏、Yu-Ping Wang氏、及びWilliam Linch氏、Ondrej Huleck氏とU双対性に基づくブレーン理論に関するレビューに新しい結果を含めた大きな論文をほぼ完成させたところである。すべての超弦理論を含み、STU双対性を明白に持つようにするためには、弦の世界面はブレーン世界体積に拡張される。このようなU双対性の表現であるブレーンのラグランジアンを具体的に与えた。時空をT双対性の対称性O(D,D)の表現に拡張するとT双対性が明白になるように、時空をU双対性の対称性例外群Enの表現に拡張すると同時に世界体積も拡張する。このことで、時空と世界体積を連動させて縮約させると、弦理論のスペクトルが摂動論的に再現できるということである。
また、ヘテロティック弦理論のT双対性を明白にする定式化についても、研究分担者である順天堂大の矢田雅哉氏、北里大の佐々木伸氏、森遥氏との共同研究がJHEPに掲載されることとなった。ヘテロティック弦理論は弦のモードが左右で異なるカイラルなカレント代数を持つ。カイラルなカレントでラグランジアンを構成すると、弦の世界面のローレンツ共変性が失われる。ここに、Siegel氏の提唱するカイラルスカラー作用を回復する方法を、T双対性の明白な理論に応用したdouble zweibeinの方法(初田、Siegel)と同様に、ヘテロティック弦理論にも応用した。その結果、Wittenらが与えた世界面共変な運動項を持つラグランジアンを得た。ヘテロティック弦理論はゲージ場をあらわに含むことで、標準模型への関連が議論できる非常に興味深い理論である。このゲージ場を、拡張した時空のvielbeinとして共変的に記述することで、T双対性を明白に記述することができた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

当初の計画通り順調に進んでいる。

今後の研究の推進方策

U双対性に基づくブレーン理論の構築について、引き続きStony Brookの共同研究者らと
ブレーンの量子的側面の研究を行う。Schwingerモデルによるプロパゲーターの導出に基づき、ブレーンのラグランジアンを用いてプロパゲーターを導出する。ビラソロ演算子はenergy-momentumテンソルでもあり、それらのOperetor Product代数を求める。この際、量子論的なアノーマリーを矛盾なく求めることに挑戦する。

ヘテロティック弦理論については、ゲージ場とローレンツ接続場が同等に扱えるような定式化を構築する。アファインリー代数のJacobi恒等式からカレント代数にローレンツ生成子とその非縮退パートナーである生成子の導入が必要となる。それらの生成子に対するvielbeinの成分として、ローレンツ接続場が矛盾なく導入できる。ゲージ場とローレンツ接続場を同等に記述したうえで、Green-Schwarz機構をT双対性共変に表現する。

次年度使用額が生じた理由

新型コロナ防止のために引き続き国際会議が自粛されており、当初よりも海外旅費等が使用できなかった。

  • 研究成果

    (7件)

すべて 2023 2022 その他

すべて 国際共同研究 (2件) 雑誌論文 (2件) (うち国際共著 2件、 査読あり 2件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (3件)

  • [国際共同研究] Stony Brook University(米国)

    • 国名
      米国
    • 外国機関名
      Stony Brook University
  • [国際共同研究] Vrije Universiteit Brussel(ベルギー)

    • 国名
      ベルギー
    • 外国機関名
      Vrije Universiteit Brussel
  • [雑誌論文] Gauged Double Field Theory, Current Algebras and Heterotic Sigma Models2023

    • 著者名/発表者名
      Machiko Hatsuda, Haruka Mori, Shin Sasaki, Masaya Yata
    • 雑誌名

      Journal of High Energy Physics

      巻: 04, 073 ページ: 1-22

    • 査読あり / 国際共著
  • [雑誌論文] Open F-branes2022

    • 著者名/発表者名
      Machiko Hatsuda, Warren Siegel
    • 雑誌名

      Journal of High Energy Physics

      巻: 04, 073 ページ: 1-22

    • DOI

      10.1007/JHEP04(2022)073

    • 査読あり / オープンアクセス / 国際共著
  • [学会発表] Open F-theory Brane2023

    • 著者名/発表者名
      Machiko Hatsuda, Warren Siegel
    • 学会等名
      日本物理学会 第77回年次大会
  • [学会発表] Heterotic DFTにおけるカレント代数の導出2023

    • 著者名/発表者名
      矢田雅哉、佐々木伸、初田真知子、森遥
    • 学会等名
      日本物理学会 第77回年次大会
  • [学会発表] 10 Brane with manifest U-duality2022

    • 著者名/発表者名
      初田真知子
    • 学会等名
      日本物理学会 2022年秋季大会

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公開日: 2023-12-25  

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