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2022 年度 実施状況報告書

高放射線環境下でFPGAを動作させるための集積回路の開発

研究課題

研究課題/領域番号 22K03666
研究機関大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構

研究代表者

浜田 英太郎  大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構, 素粒子原子核研究所, 技師 (70708479)

研究分担者 宮原 正也  大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構, 素粒子原子核研究所, 准教授 (90551705)
内之八重 広宜  大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構, 素粒子原子核研究所, 技師 (10883837)
研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2025-03-31
キーワードFPGA / SEU / 集積回路 / ソフトエラー / パーシャルリコンフィグレーション
研究実績の概要

FPGAには高エネルギーの粒子が入射すると回路構成用メモリが変更されてしまう問題(SEU)がある。これまで多くの実験で、FPGA製造元が用意した自動修正回路を組み込むことで対応してきたが、この方法だと多ビットのエラー発生した場合等でエラーを修正できなくなってしまい、FPGAの信頼性と稼働率が損なわれてしまう。本研究では、これらの状況を防ぐためのSEU修正用ASICを開発する。このSEU修正用ASIC回路は対象のFPGAの近くに配置され、FPGAと信号をやり取りすることで、FPGA内に発生したSEUによるエラーを自動で修正する。

今年度はSEU修正回路を設計し、ASICではなくFPGAに組み込んで試験を実施した。このSEU修正回路には、FPGA内の全ての回路構成用メモリをスキャンし、取得した回路データ情報からSEUにより発生したエラーを特定することができる。また、SEU修正回路にはパーシャルリコンフィグレーション(FPGAを停止させることなく、一部のデザインを再コンフィグレーションする)させる機能を有しており、ファームウェアの再ダウンロードさせることなく、SEUによってエラーが発生したメモリの自動修復が可能である。このSEU修正回路には小規模なプロセッサを採用している。そのため、処理内容プログラムを変えることで、様々な種類のFPGAにも対応できる。さらに、SEU修正回路をASICへ移行した場合でも、回路の処理を微調整できるような工夫も施されている。

FPGAに疑似的なエラーを発生させ、SEU修正回路の機能試験を実施した。この試験により、1ビットのエラーでも多ビットのエラーでも期待通りに修正できることを確認できた。また、神戸大学タンデム加速器における中性子照射試験を実施し、FPGAの再ダウンロードさせることなく、SEUによるエラーを修正できることも確認できた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

SEU修正回路をFPGAに組みこみ、期待通りに動作することを確認した。実際に加速器を用いた試験を実施し、多ビットエラーも修正できることを確認できた。回路設計にて細かい部分が残っているが、加速器を用いた試験を必要としない部分であるため、おおむね順調に進んでいると判断した。

今後の研究の推進方策

研究計画の通り、FPGAに組み込んだSEU修正回路のASIC化を目指す。中性子照射試験を実施し、SEU修正回路の有効性を測る。また、ガンマ線照射試験を実施し、TID耐性を測定する。

次年度使用額が生じた理由

計画通りに予算を執行できたため、予定されていた額との差異はわずか16,880円であった。この分は次年度の旅費に利用する。

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公開日: 2023-12-25  

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