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2022 年度 実施状況報告書

惑星形成初期固体のサイズ・組成・空隙の観測的制限

研究課題

研究課題/領域番号 22K03680
研究機関国立天文台

研究代表者

片岡 章雅  国立天文台, 科学研究部, 助教 (70749308)

研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2027-03-31
キーワード惑星 / 電波観測 / 偏光 / 原始惑星系円盤
研究実績の概要

惑星形成とは、ミクロンサイズのダストが付着成長し数千キロメートルサイズの惑星を形成する過程である。現在までに、太陽系外の惑星も多数発見されており、その形成過程に注目が集まっている。惑星は、原始惑星系円盤と呼ばれるガス円盤の中で形成されると考えられている。惑星と種となる固体物質はダストと呼ばれており、そのサイズや組成を制限することは、惑星形成の理解へとつながる。

従来、原始惑星系円盤のミリ波スペクトルから、惑星形成初期のダストサイズはミリメートルサイズ程度と言われてきた。それに対し我々の発展させてきたALMAミリ波偏光観測は、一桁小さいダストサイズを示唆してきた。本研究では、この矛盾はダストを球形だと仮定してモデリングしていたことが問題であること着想を得て、原始惑星系円盤におけるダスト散乱偏光理論を発展させることで、惑星形成初期のダストのサイズ・空隙・組成を解き明かすことを目標とする。

1年目である本年度は、惑星の種であるダストの組成を制限するための手法開発に注力した。その結果、アルマ望遠鏡等で指摘されてきた、原始惑星系円盤の散乱特性を用いると、組成が制限できる可能性を発見することに成功した。このような組成の制限は、従来赤外線波長において行われてきたが、赤外線では円盤の表層付近しか見えず、円盤の赤道面に沈殿する惑星の種となる固体微粒子の組成を制限できないことが問題であった。それに対し本手法は、電波の散乱特性を用いることで赤道面におけるダストの組成の制限を可能とする。この研究アイディアを現在論文化している最中である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

1年目として、研究のアイディアであった惑星形成におけるダストの組成制限の基礎アイディアを形にすることができた。次年度に向けて、本結果を論文にまとめ成果として公表していきたい。

今後の研究の推進方策

2年目となる次年度は、散乱特性からの惑星形成物質の組成制限の結果を論文としてまとめる。

次年度使用額が生じた理由

本年度は、コロナ禍の行動制限により、研究会の開催等が少なかった。今年度未使用額は、行動制限の緩和に伴い、次年度の研究会開催に現地で参加するための旅費として使用する。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2022

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件)

  • [雑誌論文] Massive Compact Dust Disk with a Gap around CW Tau Revealed by ALMA Multiband Observations2022

    • 著者名/発表者名
      Ueda Takahiro、Kataoka Akimasa、Tsukagoshi Takashi
    • 雑誌名

      The Astrophysical Journal

      巻: 930 ページ: 56~56

    • DOI

      10.3847/1538-4357/ac634d

    • 査読あり / オープンアクセス

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公開日: 2023-12-25  

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