研究課題/領域番号 |
22K03706
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研究機関 | 国立研究開発法人情報通信研究機構 |
研究代表者 |
塩田 大幸 国立研究開発法人情報通信研究機構, 電磁波研究所電磁波伝搬研究センター, 主任研究員 (90462192)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2027-03-31
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キーワード | 太陽黒点 / 太陽フレア / 磁場モデル / 宇宙天気予報 |
研究実績の概要 |
太陽フレアは活動領域(黒点上空の太陽コロナ)において発生する太陽系最大の爆発現象であり、大規模な太陽フレアは宇宙天気のじょう乱を引き起こす。太陽フレア発生予測は宇宙天気予報において実現するべき最重要タスクの一つである。2020年に名古屋大学草野完也教授らのグループが太陽フレア発生過程の新たな理論モデル(カッパースキーム)を提唱した。そこで本課題では、米国Solar Dynamics Observatory (SDO)衛星による太陽表面磁場の観測データに基づいて、高速計算システムで非線形フォースフリー磁場モデルにより太陽活動領域の磁場の状態をリアルタイムで計算し、その状態の時間変化を表示するシステムを構築し運用を開始する。カッパースキームによる太陽フレアの発生予測を表示し、当研究室が実施する宇宙天気予報の現場で利用し検証を行う。 今年度は、情報通信研究機構(NICT)所有の大型計算機を使用して観測データの取得から非線形磁場の計算、カッパスキームによる予測パラメータを自動的に計算するシステムの開発・構築を進めた。NICTの宇宙天気予報での利用を念頭にしているため、リアルタイムのSDO衛星黒点磁場観測データを使用するためのシステム設計と検証を進めている。 特にリアルタイムの利用に耐えうるような計算の高速化の手順を検討している。またリアルタイムのデータは、時間が経つに従って拡大する活動領域のサイズに合わせて視野が広がっていく。この効果と、カッパスキームによる予測パラメータと定義の整合性を自動的にとる仕組みが必要であり、今後の課題として残っている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
太陽黒点磁場の観測データを入力として、情報通信研究機構(NICT)大型計算機において非線形磁場の計算、カッパスキームによる予測パラメータの計算を行う仕組みを構築した。リアルタイムの利用に耐えうるような計算の高速化について、いくつか検討をしている。
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今後の研究の推進方策 |
解像度を下げるなど、高速化について引き続き検討する。 時系列のデータを自動的に処理する仕組みの構築を進める。 またリアルタイムデータによる領域サイズの変化の対応策を検討する。
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次年度使用額が生じた理由 |
データ解析用のサーバの購入を計画していたが、半導体不足および円安のため、想定していたスペックのサーバを購入することができなかったため、次年度に改めて購入を検討することとした。
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