研究課題/領域番号 |
22K03734
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研究機関 | 東京学芸大学 |
研究代表者 |
西田 尚央 東京学芸大学, 教育学部, 准教授 (40587317)
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研究分担者 |
藤田 和彦 琉球大学, 理学部, 教授 (00343377)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 島尻層群 / 知念層 / 堆積相解析 |
研究実績の概要 |
琉球大学保管の琉政2号コアおよび沖縄島中・南部に分布する島尻層群の地層(豊見城層,与那原層,新里層)ならびに知念層の特徴を解析した.その結果,それぞれ以下のような岩相で特徴づけられることが明らかとなった.(1) 豊見城層上部は生物擾乱が卓越する塊状シルト岩を主体として一部に薄い砂質シルト岩を挟在する.また最上部(小禄砂岩部層)は,無構造の厚い砂岩層やスランプ構造が発達する砂岩泥岩互層が認められる.(2) 与那原層は,生物擾乱の卓越する塊状シルト岩が卓越する.一部の粗粒なシルト岩には,低角の斜交葉理が認められる.(3) 新里層は,生物擾乱の卓越する塊状シルト岩が卓越する.一部には,無構造で同質なシルト岩層を挟在する.(4) 知念層は,石灰質砂岩層で特徴づけられ,傾斜して重なる層理やその傾斜面に対して上方に斜交する葉理が認められる.これらの特徴のうち,島尻層群の地層は,深海域の斜面環境で形成されたと解釈される.また知念層は,より上部の斜面環境で形成されたと解釈される.これらに加えて,地層から底層流堆積物を認定するための指標構築のため,新たに神奈川県三浦半島に分布する三浦層群三崎層を例に検討した.三崎層は,従来の研究により底層流の影響を受けて形成されたと考えられるシルト岩を挟在する.そのようなシルト岩を対象に岩石薄片を作製して細粒粒子の粒子配列を解析した.その結果,タービダイト泥岩や半遠洋性泥岩とは異なる配列様式で特徴づけられることが明らかとなった.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
現地調査を予定どおり行うとともに,室内分析に必要な堆積物試料を採取することができた.
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今後の研究の推進方策 |
現地調査で得られた堆積物試料を対象に室内分析を進め,底層流によって形成された可能性を念頭に堆積プロセスの特徴を検討し,研究とりまとめを行う.
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次年度使用額が生じた理由 |
研究発表を伴う国際研究集会参加のための旅費が航空運賃の高騰等により想定よりも多く必要になったため.
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