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2023 年度 実施状況報告書

方解石双晶応力深度計の開発と公開

研究課題

研究課題/領域番号 22K03758
研究機関京都大学

研究代表者

山路 敦  京都大学, 理学研究科, 教授 (40212287)

研究分担者 西川 治  秋田大学, 国際資源学研究科, 准教授 (90375220)
研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2025-03-31
キーワード方解石 / 双晶 / 応力
研究実績の概要

採取地域にも大きく遺贈するはずではあるが,初年度の研究でなるべく若い方解石を対象とすべきという方針になったので,中新世の方解石を対象とすることにした.もっと若い鮮新世や第四紀の岩体中では,方解石の産出がほとんどないことを経験しているため,中新世としわわけである.
そこで今年度は2地域でサンプリングを行い,また,他の1地域でサンプリングのための準備をした,第1の地域は千葉県鴨川市の海岸で,そこ露出する中期中新世の地層中の方解石脈を採取した.第2の地域はかつての秩父鉱山周辺である.そこの母岩は中生代の付加帯だが,古生代の石灰岩が中期中新世に定置した秩父トーナル岩の熱で再結晶し,それまでに蓄積した石灰岩体の変形構造がリセットされていることが期待されるからである.第3の地域は佐賀県唐津市北部の海岸である.そこでは中期中新世の苦鉄質岩脈のなかに方解石脈ができている.つまりこの方解石は,中期中新世以降にできたものである.この方解石は脆くて露頭状況のためもあって採取が難しいものだった.そこでまず固化剤で方解石とその周りを固め,次に再訪した時に採取を行った.
秩父産の6サンプルでは双晶の三次元方位測定がすすみ,予察的ながら応力解析にかけることができた.その結果,各サンプルから3種類の古応力が検出されたものの,3種類の応力はサンプルごとにまちまちではあったが,水平圧縮応力を示すことが多いという結果になった.これは島弧島弧衝突の場に近いという秩父の場所と調和的であった.
秩父と同様,古い母岩中に中期中新世の貫入岩が多数存在する天草地域で方解石の探査のをおこなったが,そこには利用できそうなサンプルが中手できなかった.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

応力解析ソフトウェアはMATLABでの開発をほぼ終え,公開版の準備に入るところである.しかしその有効性をデモンストレーションするための良い実例を生み出せていない.これはサンプルの選択の問題でもあり,明確に有効性を示す頃ができる方解石サンプルに応力解析を適用する必要がある.

今後の研究の推進方策

公開用の解析ソフトの準備を進める.また,このソフトウェアを使った応力解析のデモンストレーションに向いたサンプルの探索も併せて行う.

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2023

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件)

  • [雑誌論文] Strain and stress gradients through the backarc regions of Miocene western Japan: A new type of arc-parallel extension2023

    • 著者名/発表者名
      Ushimaru Kentaro、Yamaji Atsushi
    • 雑誌名

      Journal of Structural Geology

      巻: 173 ページ: 104894~104894

    • DOI

      10.1016/j.jsg.2023.104894

    • 査読あり

URL: 

公開日: 2024-12-25  

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