研究課題/領域番号 |
22K03775
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研究機関 | 東京海洋大学 |
研究代表者 |
中東 和夫 東京海洋大学, 学術研究院, 准教授 (90709346)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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キーワード | 男女海盆 / 海底地すべり |
研究実績の概要 |
本研究の目的は沖縄トラフ最北部に位置する男女海盆の地震発生履歴および海底地すべり発生状況の詳細を明らかにすることである。そのために東京海洋大学など大学所属の練習船を用いた海底地形調査、海底下地層調査を行う。海底地形、海底下の地層構造から地震断層や海底地すべり発生場所の空間分布を把握し、男女海盆での地震・津波の発生を考察する。得られた結果をもとに、男女海盆において過去に地震や海底地すべりが、どのような規模・頻度で発生したのかを明らかにし、津波発生の可能性を評価することは九州西部域の防災・減災の観点からも重要である。 2022年度は神鷹丸航海により北部沖縄トラフ男女海盆周辺で取得したサブボトムプロファイラーデータの解析を行った。解析の結果、男女海盆南端部に位置する男女断層の北東延長線上に断層が見られた。このことから男女断層の長さは断層崖が海底地形として確認できる部分のみではなく、さらに北東側に伸び、断層のながさは50㎞以上になる可能性があることを明らかにした。松田(1975)による断層の長さとマグニチュードの関係式から男女断層ではM7.5~7.7程度の地震が発生する可能性がある。また、男女海盆内では正断層が数多く見られた。さらにフラワーストラクチャーと考えられる反射イメージが得られた。このことから男女海盆内では正断層だけではなく、横ずれ断層も発達していると考えられる。これらのことから北部沖縄トラフに位置する男女海盆内では背弧海盆拡大による引張場が卓越し、拡大軸周辺ではエシュロン構造が発達していると考えられる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
新型コロナ感染症の影響により、調査航海の機会は当初予定より減ったが、これまでに取得されたデータなどの解析を行うことで、男女海盆周辺の堆積層構造をイメージングすることが出来た。
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今後の研究の推進方策 |
2023年度も引き続き、男女海盆周辺海域での海底地形調査および海底下地層調査を行っていく予定である。また、取得済みのデータの解析も進めていく。
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナ感染症の影響により当初予定した観測を実施することが出来なかったため。 2023年度は新型コロナ感染症の影響も少なくなってきたため、複数回の観測航海が予定されている。また、取得予定のデータも大容量であるため計算機などを購入し、効率的に解析を進める予定である。
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