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2023 年度 実施状況報告書

火山ガスの供給・蓄積による噴火発生過程の研究

研究課題

研究課題/領域番号 22K03783
研究機関国立研究開発法人産業技術総合研究所

研究代表者

風早 竜之介  国立研究開発法人産業技術総合研究所, 地質調査総合センター, 主任研究員 (50637379)

研究分担者 篠原 宏志  国立研究開発法人産業技術総合研究所, 地質調査総合センター, 招聘研究員 (80357194)
森田 雅明  東京大学, 地震研究所, 助教 (40805149)
角皆 潤  名古屋大学, 環境学研究科, 教授 (50313367)
研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2026-03-31
キーワード火山ガス / 火山ガス組成 / 二酸化硫黄放出量
研究実績の概要

桜島火山でセスナ機を用いた観測を実施する予定であったが、航空会社の都合(観測飛行に必要となる監査手続きなど)により、観測が中止となった。航空会社とは現在も観測を実施するための調整が続いている。このため、当初の予定を変更して、活発な脱ガス活動を続ける霧島硫黄山火山にて火山ガス観測を実施した。実施した観測項目は二酸化硫黄(SO2)放出量、硫化水素(H2S)放出量、火山ガス組成(H2O,CO2,H2,SO2,H2S)及び火山ガスの同位体測定である。観測データは現在分析・解析中である。特に、H2S放出量観測については、火山ガス組成観測及びSO2放出量観測と比較することにより、定量性能の評価を行う予定である。噴火活動が活発な火山の火山噴煙はSO2に富むが、熱水系が発達した火山などではSO2に乏しくH2Sに富む火山ガスが放出される。H2S放出量観測は熱水系が発達した火山からの火山ガス放出量を推定する上で有用であると考えられる。
昨年度に実施した阿蘇火山での赤外光学式センサーとガスセンサーの比較観測について、観測データを解析した。赤外光学式センサーについては、観測日に天候に恵まれず十分な光量の赤外光スペクトルが測定できていなかったため、H2O,CO2などの一部のガス成分の定量が難しい状況であったものの、火山噴煙中のSO2,HCl,SiF4の定量に成功した。これらとガスセンサー観測の結果と組み合わせることで阿蘇火山の包括的なガス組成の推定に成功した。本内容を取りまとめ、日本火山学会にて発表した。また、同内容を月刊地球に投稿した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

4: 遅れている

理由

子の出産に際し、育児休暇を取得した。このため、研究に割く時間が大幅に減少し、進捗が遅れている。以上の理由から、補助事業の1年間の延長申請を行った。

今後の研究の推進方策

当初予定していた桜島でのセスナ観測が、航空会社の都合・事情により実施できなかった。セスナ観測の実施の可否については現在も航空会社と調整を進めている状況であり、不透明な部分が多い。このため、セスナ観測の実現に尽力しつつも、活発な脱ガス活動を繰り返す他の火山に観測対象を拡大する。具体的には霧島硫黄山火山などで火山ガス観測を実施し、観測技術の高度化や火山活動のモデル化などの実施を考えている。
また、名大の角皆潤氏に研究分担者になっていただき、従来の火山ガス放出量・組成観測に加え、火山ガス同位体の観測・分析を実施する。

次年度使用額が生じた理由

航空会社の都合により、予定していたセスナ機を用いた空中観測を実施することが出来なかった。現在、観測を行うために航空会社と調整を進めている。これによって生じた次年度使用額については、2024年度にセスナ機を借り上げる費用として使用する予定である。万が一セスナ機を用いた観測が2024年度も実施できない場合は、他の火山(霧島硫黄山火山など)の観測費用などに充てる。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2024 2023

すべて 学会発表 (1件) 図書 (1件)

  • [学会発表] FTIR観測による阿蘇の火山ガス組成の推定2023

    • 著者名/発表者名
      風早竜之介・森俊哉・横尾亮彦・篠原宏志
    • 学会等名
      日本火山学会2023年秋季大会
  • [図書] 月刊地球7月号(4.風早竜之介・森 俊哉・横尾亮彦・中畝大介・Burton Mike「FTIR観測による阿蘇の火山ガス組成の推定」)2024

    • 著者名/発表者名
      風早竜之介・森俊哉・横尾亮彦・中畝大介・Burton Mike
    • 総ページ数
      6
    • 出版者
      海洋出版

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公開日: 2024-12-25  

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