現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
白亜紀アンモナイト類の分類群ごとにこの”浮遊幼生期”の戦略を復元し,比較した.その結果,以下のことが明らかになった. (1)リトセラスのグループでは”浮遊幼生期”が終了する成長段階がより大きな殻直径である可能性があること(Kawakami et al., 2022). (2)リトセラスのグループでは地質時代とともに”浮遊幼生期”の戦略が変化した可能性があること(Kawakami and Wani, 2023). (3)デスモセラスのグループでは”浮遊幼生期”が終了する成長段階がより小さな殻直径であり,世界中の標本および白亜紀アルビアン期(約1億年前)~カンパニアン期初期(約8000万年前)の期間にわたって,ほとんど変化しなかったこと(Takai et al., 2022). 以上のように,これまでに解析を進めた白亜紀アンモナイト類の中でも異なる”浮遊幼生期”の戦略を見いだしつつある. これまでに得られた成果については,査読付き学術雑誌において発表した.データの蓄積は予定通りで,成果の発表もおよそ予定通りであると言える.また,2022年9月にイギリス・ロンドン・大英自然史博物館で開催された国際頭足類学会において,発表した.
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