研究課題/領域番号 |
22K03818
|
研究機関 | 鈴鹿工業高等専門学校 |
研究代表者 |
板谷 年也 鈴鹿工業高等専門学校, 電子情報工学科, 准教授 (00650425)
|
研究分担者 |
吉岡 宰次郎 鳥羽商船高等専門学校, その他部局等, 准教授 (60825214)
|
研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
|
キーワード | 熱可塑性炭素繊維強化プラスチック / パルス渦電流法 / 異種材料接合品 / 分離技術 |
研究実績の概要 |
本研究では、金属と熱可塑性炭素繊維強化プラスチック(CFRTP)の異種材料接合品の接合部の樹脂溶融による剥離に着目し、パルス渦電流法よるアルミニウム合金(Al合金)とCFRTPの異種材料接合品の分離技術の開発を目的とする。短冊状のAl合金(A5052P)とCFRTP(TEPEX社 dynalite)を接着剤(コニシ社 E250)で接着接合し、試験片を製作した。はじめに、パルス渦電流法を用いた誘導加熱システム(アロニクス社 EASYHEAT0224)を構築し、コイル電流を100、110、120、130、140、150Aと変化させて接着接合部の加熱を行った。コイル電流130、140、150Aにおいて、5秒以内でAl合金とCFRTPを分離することに成功した。次に、分離した CFRTP が再利用できるかどうかを評価するため、ディジタルマイクロスコープとAFM(Atomic Force Microscope)でCFRTPの表面観察を行った。ディジタルマイクロスコープを用いたCFRTP表面観察について、誘導加熱前と誘導加熱後のCFRTP表面をレンズ倍率50倍で観察した。誘導加熱後のCFRTPは、炭素繊維自体には大きな変化は見られなかったが、樹脂にボイドのようなものがあった。これは誘導加熱時の熱が影響したと考えられる。AFMを用いたCFRTP表面観察について、誘導加熱前と誘導加熱後のCFRTP表面を比較すると、導加熱前と誘導加熱後のCRTP表面を比較すると、目視では確認できなかった樹脂表面の凹凸の変化がわかった。今後、分離後のCFRTPについて、加熱によるCFRTPの物性変化を表面観察した上で、その鍵となる引張強度に問題ないかどうかを明らかにする予定である。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
Al合金とCFRTPを接着接合した試験片を本パルス渦電流法を用いた誘導加熱システムで5秒以内で分離することに成功ししたため。加えて、CFRTPの表面観察では、誘導加熱前と誘導加熱後の変化を観察できたため。
|
今後の研究の推進方策 |
分離後のCFRTPについて、加熱によるCFRTPの物性変化を表面観察した上で、その鍵となる引張強度に問題ないかどうかを明らかにする。金属および母材樹脂が異なるCFRTPについて、加熱による物性変化を追いかけながら至適な誘導加熱条件の理論を構築する。
|