研究課題
長周期積層構造(LPSO相)ラメラ組織と緻密なナノ析出物を含む階層的異方性ナノ構造を有するMg-RE合金を用いて超高サイクル疲労試験を行い,繰り返し塑性変形に伴うき裂先端及びその近傍に発達する微視組織(転位,疲労誘起酸化膜,LPSOラメラ相,β共晶ナノ析出相,粒界,界面等)を超高分解能走査透過電子顕微鏡(STEM/HAADF)により観察・計測することに成功し,本合金の疲労き裂発生および初期伝ぱに及ぼす階層異方性ナノ構造組織の影響を実験的に明かにした。すなわち,微小き裂はLPSOラメラから離れた柔らかいα-Mgナノマトリックスから固執すべり帯(PSB)が形成し,ゆえにその表面から酸化変態=マグネシウム酸化膜(MgO層)が生じる。しかし,この疲労誘起酸化物が転位の運動によって発達し,ある厚さに達すると更なる転位運動の妨げとして働く。その結果,マイクロクラックの発生を引き起こす。つまり、新たな疲労き裂発生メカニズムの存在が示唆される。
2: おおむね順調に進展している
実験は計画通りに進捗しており、研究成果として国際ジャーナルに論文2編を掲載することができた。
研究は順調に進行しており、当初計画通りに研究を進める。
すべて 2023 その他
すべて 国際共同研究 (2件) 雑誌論文 (3件) (うち国際共著 3件、 査読あり 3件、 オープンアクセス 1件)
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