| 研究課題/領域番号 |
22K03833
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| 研究機関 | 旭川工業高等専門学校 |
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研究代表者 |
堀川 紀孝 旭川工業高等専門学校, システム制御情報工学科, 教授 (80344480)
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| 研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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| キーワード | 鋳鉄 / 渦電流試験 / 周波数掃引 / 非破壊評価 |
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| 研究実績の概要 |
磁心入りプローブと空芯プローブの電磁界解析を行うと共に磁心入りプローブを作製し，特性評価を行った．
プローブの励磁コイルと試験体をモデル化し，100Hz，1kHz, 10kHzの交流電流を励磁コイルに印加した場合のプローブまわりの電磁界解析を行った．本助成にて導入した解析用ＰＣにより，従来より高精細に要素分割が可能となり，プローブと試験体周辺のメッシュサイズを1mm→0.2mmに高精細化した．これにより，特に高周波数におけるプローブ直下の急激な磁界，渦電流の変化を計算できるようになった．電磁界解析によってプローブから試験体に浸透する磁界分布と，印加する周波数，プローブ直径の違いによる磁界・渦電流分布の変化を明らかにした．また，試験体の磁気特性の違いによる磁界分布・渦電流分布についても比較を行った．磁心としてフェライトコアをコイル中心に配置したプローブを設計し，その磁界分布の解析を行ったところ，検出コイルによる磁界を試験体に誘導できることが示された．
次に，実際にコア入りプローブを製作し，基地組織の異なる試験体に接触させた場合の検出コイルの出力波形について従来型の空芯プローブと比較した．コア入りプローブは空芯プローブの1／3の巻き数としたが，コアの効果により，検出コイルの出力電圧は同程度を維持することができた．この結果から，コア入りとすることで巻き数の削減が図れれば，コイルの線径の拡大が可能であり，それにより印加電流の強化，すなわち発生磁界の強化が期待できる．また，試験体に接触させた場合の基地組織の違いによる出力電圧の差は，コア入りプローブのほうが大きいことが示され，試験体の状態に対する感度が高いことが示唆された．
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| 現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
電磁界解析は実施できるようになったが，新規に導入した解析ソフトの習得に時間を要し，表面状態のモデル化が不十分である．また，電磁界解析の遅れによりプローブの製作がずれこみ，実測による評価が一部に留まっている．
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| 今後の研究の推進方策 |
本年度はプローブを製作するとともに，周波数掃引しながら記録するシステムをLabviewを用いて構築する．
本助成により導入したロックインアンプを評価システムに組み込み，これまでより広い周波数帯における応答特性の変化を調べ，基地組織および表面状態と対応するパラメータを明らかにする．
今年度の成果により，フェライトコアを用いることでプローブの感度向上が期待されることから，複数の形状のプローブの電磁界解析を行うとともに試作プローブの評価を行い，鋳肌からの評価に適した形状を見いだす．
なお，周波数掃引の場合，測定時間を要することから安定的なプローブの接触が求められるので，試験体とプローブの接触させる治具を製作する．また，時間短縮のため，計測条件の見直しを行う．
試験片の製作ならびに試験片自体の磁気特性の計測では，日本鋳造工学会鋳造品の評価技術研究部会内での協力を求める予定である．
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| 次年度使用額が生じた理由 |
当初現地参加を計画していた日本鋳造工学会全国講演大会について，リモートでの参加に切り替えたこと，ならびに，プローブの製作が自前での試作に留まったことから，プローブの外注費用が発生しなかったことなどにより次年度使用額が生じた．次年度の旅費ならびにプローブや試験片の製作費用に充てることとする．
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