研究課題/領域番号 |
22K03844
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研究機関 | 千葉工業大学 |
研究代表者 |
松井 伸介 千葉工業大学, 工学部, 教授 (50612769)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | GaN / AFM / ポリシング |
研究実績の概要 |
GaN基板の研磨特性にUV照射が与える影響について検討を行った。その結果、非常に研磨加工が難しいGaN基板に対し、波長365nm程度の紫外光(UV光)を照射しながら酸化剤添加、pH変化をさせ研磨をすると研磨速度が大きく向上することを確認した。pH14程度の高アルカリでは照射により2倍程度、pH10.5のペルオキソ2硫酸カリウム溶液では大きく数10倍程度の加工能率の向上があった。そこで、この加工における基礎的なメカニズムを明らかにするため、GaNAFMスクラッチ加工における、UV照射の効果の検討に入った。AFMカンチレバーの高さ位置センシング用の光学系への影響、また、UV光による実験系の劣化を避けるため、UV光はスクラッチを行うごく局所に照射する必要があると考えられる。そのため、実験としては、触針にGaN製を用いて石英である光ファイバをスクラッチし、同時に光ファイバコア(10μm程度を想定)にUV光を導光し加工点に照射するケースとGaN基板にダイヤ、シリカ等の触針でスクラッチしているところへ、光ファイバの細いコアを通したUVを照射する方法の2種類について検討している。ただ、以前は入手が可能であったコア径10μm外径125μmのUV用光ファイバが入手が難しくなっていた(コロナの影響か)。そこで光結合系を作成して、異径ファイバによるUV導光部の作製をモジュールメーカと現在試みているところである。当初は可能性がありそうとのことであったが検討の結果最終的には10μmであるとやはり困難であるとの判断となり、現在、他メーカーによるの検討、仕様あるいは方式の変更を検討等考案中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
コロナの影響はまだ残り思ったほど検討・実験に時間が取れなかった。また、影響は、部品入手をはじめとして実験系の構築にも影響している。特にUVを導光できる光ファイバの入手には少し苦労している。これにより、AFMスクラッチによる実験のシステムの構築がまだ完了していない。さらに、AFMスクラッチによるメカニズム究明の検討の基礎的なデータとなるGaN基板のUVアシスト研磨において新たな展開があり、そちらにも注力した。以上により遅れていると判断した。
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今後の研究の推進方策 |
早急に、UV用の細径コア光ファイバの入手及び導光系の構築をはかる。また、現状の光ファイバをスクラッチする構成で、光ファイバにUV光を導入する検討も併せて行う。比較的強い強度のUV光が発生できるメタルハライドのランプを使えばファイバ端面に直接光を入れることである程度UV光の入射が光ファイバに行えるのではないかと考えられる。また、ある程度の光が入れば、極端に光ファイバを曲げなければある程度の光量が加工端面に導かれると思われる。場合によっては、UV光源からの光をレンズで少し絞って強度を上げることも可能と考える。また、平行して、GaN,SiC,アルミナなどの非常に硬脆な材料へのダイヤモンド触針によるスクラッチ加工も行い。基礎データの収集にも行っていく。さらに走査の実験条件の範囲を広げるために走査の高速化が図られるように実験系改良も図っていく。
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次年度使用額が生じた理由 |
コロナ影響下で、検討の遅れ、および物品の購入ができなかったために次年度使用額が発生した。 UV用光ファイバの購入、光ファイバへの紫外光導入系統の購入、および、GaN基板、GaN触針の購入を行う。
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