研究課題/領域番号 |
22K03849
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研究機関 | 東京工業高等専門学校 |
研究代表者 |
角田 陽 東京工業高等専門学校, 機械工学科, 教授 (60224359)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | マイクロテクスチャ / 微細加工 / 濡れ性 |
研究実績の概要 |
本研究は,微細表面凹凸形状(マイクロテクスチャ)を固体表面に付すことで,例えばいわゆるバイオフィルム(例えば細菌等が固体表面上で増殖して膜構造を形成した状態である.以下,BFと記す.)などをその表面に付着しにくくするといったテクスチャの応用可能性を探ることを目的としている.そもそも,本研究実施者は,マイクロテクスチャを付与した固体表面を用いて培養細胞や細菌の形成制御を実現し,例えば細菌等が成長しにくい微細表面凹凸形状があることを見いだしてきている.その応用として,本研究ではBF形成の制御を実現するマイクロテクスチャを見いだそうというもので,実際の実験により,さまざまな形状や寸法のマイクロテクスチャを付与した固体表面上での液体の振る舞い,それにもとづくBF形成機構の定量的解明とBF形成抑制法の確立をめざしている.今年度はさまざまなマイクロテクスチャにおいて,そこに滴下された液体の振る舞いとして,接触角や転落角および液滴形状の経時変化などを中心に調べ,液滴ならびに液中物質がマイクロテクスチャ表面でどのように濡れ広がるかの状態変化を調べ,BF形成抑制マイクロテクスチャ面の有効性の足がかりとした.具体的には,適切なマイクロテクスチャ形状により,その上の液滴の親水性からはっ水性までや液滴形状が制御できることを明らかにできた.それとともにその中の液中物質の振る舞いもあわせて一定程度制御できる見込みである.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
一昨年度までの半導体集積回路等の供給不足などにともなう,各種実験装置や消耗品の納期の長期化も一定程度落ち着き,現状ではおおむね順調に進展していると判断している.
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今後の研究の推進方策 |
BFは自然界のものなので,実験におけるバラツキが予想されるが,温度や湿度を制御することで加速実験なども考慮して実験を進めたい.
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次年度使用額が生じた理由 |
半導体集積回路の供給不足による納期遅れなどから前々年度よりの繰り越し額があり,それを考慮すると今年度単年度は当初計画以上の支出をしており,研究全体としてはほぼ当初予定どおりに進んでいると考えている.次年度使用額は円安などの物価上昇を考慮すると当初計画の内容で支出できると考えている.
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