研究課題/領域番号 |
22K03887
|
研究機関 | 富山県立大学 |
研究代表者 |
宮島 敏郎 富山県立大学, 工学部, 准教授 (60397239)
|
研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
|
キーワード | 樹脂 / 射出成形 / 繊維配向性 / 樹脂保持器 / エロージョン / トライボロジー |
研究実績の概要 |
今年度は,昨年度に引き続き,ガラス繊維強化樹脂保持器や炭素繊維強化樹脂保持器を作製して,大粒径球形粒子による,転動体の高負荷接触・衝突を想定した繰り返し衝撃性評価を中心に実施した.投射粒子に,試験機で使用可能な100 μm,200μm,300μmの大きな球形粒子(アルミナ)を用いることで,接触面積や衝突エネルギーを大きくして,高負荷繰り返し衝撃を模擬して下記の実験を進めた.その中で,樹脂とガラス繊維の複合部分に,投射粒子が衝突することで生じるエロージョン面を,レーザ顕微鏡で詳細な観察・形状測定するとともに,帯電低減可能なSEMにより,高倍率で観察をすることで,繰り返し衝撃時のガラス繊維による樹脂強化機構の解明を進めた. その結果,投射粒子100μmを用いた場合,樹脂保持器の部分ごとのエロージョン深さの差が小さく現れていたのに対し,200μmや300μm投射粒子を用いると,大きな差となって現れた.エロージョン深さに関しては,200μm粒子を用いた場合と300μm粒子を用いた場合とでは,大きな差が現れなかった. また,どの粒子を投射したエロージョン面においても,ガラス繊維と樹脂との境界での剥離,ガラス繊維の割れが見られた.この剥離の厚さや大きさは,投射粒子径が大きいほど,厚く,大きくなっていたことから,投射粒子を変えることで,表面に与える衝突エネルギーを変化させることが可能であるとわかった.剥離の数に関しては,大きさによる影響が現れにくいこともわかった.
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
計画通り,実施できていると判断しているため.
|
今後の研究の推進方策 |
今後,300μmの投射粒子での評価を中心に,各種繊維強化樹脂保持器の評価を進めていく.繊維の影響,成形時の影響,様々な要因との関係について,研究を進める.これらの評価を総合し,転がり軸受用射出成形樹脂保持器の表面強さ評価法を完成させる.
|
次年度使用額が生じた理由 |
一昨年度の繰越分の一部があるためと,購入予定であった実験機器の長納期化に伴い,次年度購入に変更したため
|