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2023 年度 実施状況報告書

混相流混合現象解明を目指した光吸収ベロシメトリー構築への挑戦

研究課題

研究課題/領域番号 22K03901
研究機関東京工業大学

研究代表者

高橋 秀治  東京工業大学, 工学院, 准教授 (50625960)

研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2025-03-31
キーワード混相流 / 光吸収 / ベロシメトリー / 波長可変半導体レーザ / 可視化
研究実績の概要

原子力を含む工業プロセスの安全・高度化のためには、多成分系流体の成分分布・温度・流速を同時に可視化できるツール開発が重要であるが、本研究では多成分系流体の成分・濃度・温度・流速を可視化可能なツール開発を目標に、多成分流体に半導体可変波長レーザを照射し、光吸収分光法により、流体の成分・濃度・温度・流速を同時に可視化する手法を開発し、工業プロセスの安全・高度化及び、混相流の混合流動現象解明への貢献することを目指している。近年、波長可変半導体レーザは、光源として近年量子物理や通信分野で注目を集めており、本研究ではこの波長可変半導体レーザを用い、波長掃引を行い、吸収スペクトルを瞬時に取ることを可能としている。初年度に、圧力容器へ単一のレーザ光ビームのみのシングルレーザパス条件にて、レーザを透過させ、シングルレーザパス条件における温度・濃度の光吸収特性に関する基礎データを得ることができたとともに本開発計測手法の有効性を明らかにしたことを受けて、本年度は、研究計画通り、マルチパス化のための光学機器の設計・製作を行い、気相の温度・濃度を取得し、有効性検証を行った。マルチパスシステムの構築(フォトアンプ、光学機器マウント等の製作等)、マルチパスでの蒸気の温度・濃度検量線の作成及び実証実験を行い、本提案手法の有効性を確認した。また、前年度の研究進捗に伴い環境外乱が本計測手法へ与える影響を補正する計測手法の高度化が必要であることが判明したため、その高度化開発を行った。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

本年度の研究を通して、マルチパス化のための光学機器の設計・製作を行い、気相の温度・濃度を取得し、有効性検証を行うなかで、マルチパスシステムの構築、マルチパスでの蒸気の温度・濃度検量線の作成及び実証実験を行い、本提案手法の有効性を確認するとともに、一方で、前年度の研究進捗に伴い環境外乱が本計測手法へ与える影響を補正する計測手法の高度化が必要であることが判明したが、その高度化も本年度に遂行され、全体としてはおおむね順調に進展しているものと考えられる。

今後の研究の推進方策

最終年度は、予定通り、マルチパスシステムを発展させ、流れの上流及び下流の2か所にアレイユニットを構築し、両者での気相の温度・濃度等の相互相関係数から流速計測を行うためのシステムを開発・構築し、原理実証、有効性評価を行う予定である。ここでは、温度・濃度相関係数による流速計測システムの構築(圧力容器の蒸気吹き出し口の改良と光学機器マウントの製作)、温度・濃度相関係数による流速計測実験を行い、さらには、二酸化炭素ガスとの混合過程プロセスの計測有効性についても検証する予定である。

次年度使用額が生じた理由

次年度使用額が生じた理由は、本年度研究の進捗に伴い、消耗品である光学部品・配管部品・測定用電機部品等が現有の消耗品を一部使用できたことで新規購入をとりやめたため。また、オンライン会議で専門家との議論等を行うことができ旅費の費用減となったため。次年度使用額の使用計画としては、最終年度研究に必要な光学系開発のための光学部品、ガスを使用した実験における標準ガス、配管改造のための配管部品、計測系開発のための測定用電機部品等の物品の拡充、そして、学会旅費、印刷費などに充てる計画である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 備考 (1件)

  • [備考] 東京工業大学 科学技術創成研究院 ゼロカーボンエネルギー研究所 木倉研究室

    • URL

      https://kikura.zc.iir.titech.ac.jp/jp/index.html

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公開日: 2024-12-25  

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