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2022 年度 実施状況報告書

微小空間内の二相流動特性に及ぼす固体壁面濡れ性と流体レオロジーの影響の解明

研究課題

研究課題/領域番号 22K03907
研究機関熊本大学

研究代表者

川原 顕磨呂  熊本大学, 大学院先端科学研究部(工), 教授 (20224818)

研究分担者 米本 幸弘  熊本大学, 大学院先端科学研究部(工), 准教授 (70516418)
研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2025-03-31
キーワード二相流 / マイクロチャンネル / 非ニュートン流体 / 濡れ性
研究実績の概要

本研究では、マイクロ・ミニ流路内の二相流動特性、特に相界面性状や圧力損失に及ぼす流路壁面の濡れ性、非ニュートンレオロジー特性、流路スケールの三つの因子の影響を明らかにし、二相流動特性を定量予測できるモデルを構築することを目的として、本年度は次を実施した。
・ニュートン流体(水)とマイクロ流路壁面濡れ性の関係を把握するためのデータベースを構築した。その際、流路壁面の接触角を9~166°の範囲で変化させて、流動様式、気泡速度、気泡の長さ、液スラグの長さ、圧力損失、気泡生成時の気液界面の遷移についての広範囲の実験データを獲得した。その結果、圧力損失は流動様式と関係し、その流動様式は壁面の濡れ性に密接に関係することを明らかにした。濡れ性が良い(流路壁面と流体の接触角が小さい)ほど気泡の長さは短くなり、圧力損失は大きくなる。他方、濡れ性が悪い(接触角が大きい)ほど、気泡の長さが増大し、圧力損失は減少することが分かった。
・非ニュートン流体として用いる高分子(カルボキシメチルセルロース、ポリアクリルアミド)の水溶液のレオロジー特性を調べた。キャピラリー法により擬塑性特性を把握し、Capillary breakup extensional rheometer法により緩和時間を測定して弾性特性を把握した。加えて、ポリアクリルアミドの水溶液については使用による劣化特性を調査した。その結果、見かけの粘度および緩和時間の減少が確認された。また、急拡大部を通過する際、ニュートン流体では見られないエネルギーの回復を観察し、そのモデルを検討した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

当初、再現性の実験データを得るのに困難した。文献調査等で高分子溶液の使用回数を増やすたびに力学的劣化(粘度の減少、緩和時間の減少)が起こることがあることが分かった。そこで、これが原因ではないかと考え、劣化特性を実験で調査し、困難の原因を明らかにするのに時間を要した。

今後の研究の推進方策

高分子溶液の劣化特性を把握できたので、今後は当初の計画とおり壁面濡れ性の異なるマイクロ流路に非ニュートン流体二相流を流し、レオロジー特性と濡れ性が二相流動に及ぼす影響を調査する。加えて、ニュートン流体で見られなかった粘弾性流体におけるエネルギー回復についてその詳細を調査する計画である。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2023 2022

すべて 学会発表 (5件)

  • [学会発表] 急拡大部を有するマイクロチャンネル内を流れる粘弾性流体の研究2023

    • 著者名/発表者名
      李ユウ帥,山畑裕貴,米本幸弘,川原顕磨呂
    • 学会等名
      日本機械学会九州支部第76期総会・講演会講演論文集
  • [学会発表] マイクロチャンネル内の気液二相流と壁面濡れ性の関係2022

    • 著者名/発表者名
      横尾 拓海,境 将,瀬戸口 恵一,米本 幸弘,川原 顕磨呂
    • 学会等名
      日本混相流学会 混相流シンポジウム2022
  • [学会発表] 矩形マイクロチャンネル内気液二相流に及ぼす壁面濡れ性と気液混合部の影響2022

    • 著者名/発表者名
      横尾 拓海,境 将,瀬戸口 恵一,米本 幸弘,川原 顕磨呂
    • 学会等名
      日本混相流学会 混相流シンポジウム2022
  • [学会発表] マイクロチャンネル内を流れる気液二相流に流路の濡れ性と形状が与える影響2022

    • 著者名/発表者名
      横尾 拓海,境 将,米本 幸弘,川原 顕磨呂
    • 学会等名
      日本機械学会2022 年度年次大会
  • [学会発表] 壁面濡れ性と矩形マイクロチャンネル内気液二相流動の関係2022

    • 著者名/発表者名
      横尾 拓海,須山寛,瀬戸口 恵一,米本 幸弘,川原 顕磨呂
    • 学会等名
      日本機械学会第100期流体工学部門講演会

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公開日: 2023-12-25  

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