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2023 年度 実施状況報告書

オンチップ微小液滴電気穿孔を可視化するマイクロ反応場の数値解析と実験による検証

研究課題

研究課題/領域番号 22K03936
研究機関佐世保工業高等専門学校

研究代表者

中島 賢治  佐世保工業高等専門学校, 機械工学科, 教授 (40311112)

研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2025-03-31
キーワード数値解析 / 電気穿孔 / フロースルー型電気穿孔 / ナノ電気穿孔 / COMSOL
研究実績の概要

本研究課題は、豊橋技科大が開発を進める”フロースルー型電気穿孔”の設計支援を行う目的で、数値シミュレーションと基礎実験を行うものである。前年度までの研究で、数値解析において、現実的にあり得ない大きさの孔密度分布が計算されてしまうことが懸念であった。この原因は、膜電位分布が正確に計算されていないことが原因であり、電圧印加による膜電位の非定常変化を再現しきれていないことが原因と考えていた。
2023年度は、本校学生1名を理化学研究所へインターンシップ派遣(1週間)し、電気穿孔の数値解析について調査した。その結果、2021年の論文(日本機械学会論文集 87(896) 1-17 2021)で懸念事項となっていた”細胞膜上の孔密度”の計算について、解決することができた。これまで計算がうまくいかなかったおもな理由は、電圧印加中の細胞膜について、膜電子透過化が起こったときの通過電流の大きさを非定常で評価していなかったためである。理化学研究所で行われた数値解析(Analytical Chemistry, 92-1, 2020)のファイルを解析し、課題番号22K03936の計算に反映させ、Krassowskaら(2007)の文献値と一致する結果を得ることができた。
また、上記のインターンシップ派遣で、理化学研究所で実施されるナノ電気穿孔の計算も実施することができた。この結果は、2024年3月28日に第101回日本生理学会大会でポスター発表された。
さらに、上記の数値解析条件の変更が加えられた計算環境で、課題番号22K03936の計算が実施され、その結果は原著論文として投稿準備が進められている。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

1: 当初の計画以上に進展している

理由

・これまで懸念材料であった電圧印加時の膜電位分布について、Krassowskaら(2007)の文献値と一致する結果を得ることができた。
・新宅博文ら(理化学研究所)が進めるナノ電気穿孔によるRNAの選択的抽出について、数値解析で参加協力することができた。
・第101回日本生理学会大会でポスター発表し、生化学・医学分野の分野で成果を公表することができた。
・2016年から手島美帆ら(豊橋技科大)とともに実施してきた当科研費課題について、原著論文の投稿準備に取り掛かっている。

今後の研究の推進方策

フロースルー型電気穿孔の達成率を向上する方策として、電極間に細胞を一つずつ通過させることが重要であり、そのために、流下時にクラスタを形成する細胞塊を分散させる流路を考案する必要がある。佐世保高専では、細胞をマイクロビーズで模擬した流動実験を行う準備を進めている。マイクロ流体デバイスの製作には、豊橋技科大へ1週間ほど出張して作業する必要があり、今年度の担当学生を派遣する準備を整えている。
実際の流路を用いて流動観察実験を行い、数値解析との両面から考察することで、効率的なマイクロ流体デバイスの流路パターンを提案していきたい。

次年度使用額が生じた理由

ほぼ計画的な予算執行であったが、24000円弱の残額が生じた。
残額については、次年度の出張旅費に充てる予定である。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2024

すべて 学会発表 (2件)

  • [学会発表] ナノ電気穿孔法によるRNAの抽出に関する数値解析2024

    • 著者名/発表者名
      阿瀬知 笑花, 中島 賢治, 松山 史憲, マハムド アブデルモエズ, 金子 泰洸ポール, 峯岸 美紗, 新宅 博文
    • 学会等名
      第101回 日本生理学会大会
  • [学会発表] 細管内液液二相流の流動様式に及ぼす液体物性値の影響2024

    • 著者名/発表者名
      股張康生, 松山史憲, 中島賢治, 城野祐生
    • 学会等名
      日本機械学会 九州支部 第55回 学生員 卒業研究発表講演会

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公開日: 2024-12-25  

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