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2022 年度 実施状況報告書

高温面沸騰非定常冷却における濡れ開始点の伝熱モデル化と検証

研究課題

研究課題/領域番号 22K03942
研究機関福井大学

研究代表者

永井 二郎  福井大学, 学術研究院工学系部門, 教授 (70251981)

研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2025-03-31
キーワード沸騰 / 冷却 / 自発核生成 / 濡れ開始 / 伝熱モデル
研究実績の概要

高温面沸騰冷却時の濡れ開始点条件解明を最終目標として、本研究は目的①と②を設定した。
目的①は、局所的濡れが乾燥面に移行する過程の微視的・高速度観察による濡れ開始の実験的把握である。交付申請時点では、耐熱ボアスコープを購入し、試験液体にHFE-7100を用いたスプレー冷却系で実験を行う予定であった。しかし、各種ボアスコープ・マイクロスコープをデモ使用した結果、期待される観察倍率が実現できなかったことと、世界的にHFE-7100の製造・供給がストップしたため、実験内容を変更した。 すなわち、試験液体として水を用いた液滴落下系として、ベローズと拡大用マクロレンズを用いた観察系により、局所的濡れの抑制過程の微視的・高速度観察に成功した。画像計測により、固液接触面の乾燥点(発泡点)数密度と局祖的濡れ領域の時間変化を計測し、固体初期温度の上昇に伴うそれら諸量の定量的変化を評価できた。ただし、加熱用オイルの白濁やオイル沸騰等の発生が原因となって、固体初期温度が270℃以上での観察は実現出来なかったため、期待していた自発核生成による「濡れ→乾き」への移行は観察できなかった。
目的②は、固体・液体内の非定常熱伝導と固液界面近傍の自発核生成を連動させた非定常伝熱モデルの改良と、モデル計算による濡れ開始条件の解明である。交付申請時点の予定通り、既存の伝熱モデルに対して、不等間隔格子による計算領域拡大を導入することができた。それにより、固体側の熱容量が増大し、より実現象に近いモデル計算ができるように改良された。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

(研究実績の概要に記載の通り)目的②に関してはほぼ当初の予定通りに進展した。しかり目的①に関しては、交付申請時点では、耐熱ボアスコープを購入し、試験液体にHFE-7100を用いたスプレー冷却系で実験を行う予定であった。しかし、各種ボアスコープ・マイクロスコープをデモ使用した結果、期待される観察倍率が実現できないことが判明した。また世界的にHFE-7100の製造・供給がストップしたため、実験内容を変更せざるを得なくなった。 すなわち、試験液体として水を用いた液滴落下系として、ベローズと拡大用マクロレンズを用いた観察系により、局所的濡れの抑制過程の微視的・高速度観察を行った。

今後の研究の推進方策

(現在までの進捗状況に記載の通り)目的①に関して、進捗がやや遅れている。しかし、HFE-7100は2023年度においては入手可能になったため、当初予定のHFE-7100のスプレー冷却系での可視化実験が可能となり、自発核生成による「濡れ→乾き」移行プロセスの可視化が期待できる。また、2022年度において水滴落下系における可視化実験において、270℃以上での実験が出来なかった点については、透明伝熱面にITO膜を蒸着させ、オイル加熱だけでなくITO膜も発熱させることにより、水の自発核生成温度(310℃程度)以上での可視化を実現させる予定である。
目的②に関しては、当初の予定通り、改良伝熱モデルを用いた各種計算を今後実施する。

次年度使用額が生じた理由

「研究実績の概要」や「現在までの進捗状況」に記載の通り、交付申請時点で計画していた耐熱ボアスコープ(92万円)をデモ使用したところ、期待された観察倍率が実現できないことが判明し、別装置(現有のベローズと、約2万円の拡大用マクロレンズ)にて観察実験を実現させた。また使用予定であったHFE-7100(15kgで約18万円)が入手不可能であったため、水を用いた実験内容に変更した。
2023年度以降において、HFE-7100は入手可能となったため、HFE-7100を購入・利用しスプレー冷却実験を行う。 また、可視化で用いる単結晶サファイア板に、透明で導電性のITO膜を蒸着させ電気加熱が可能な装置系に改良させるために、約50万円を使用する。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2022

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] 自発核生成気泡による乾き面移行伝熱モデルの提案2022

    • 著者名/発表者名
      朝倉海渡, 永井二郎, 加藤僚
    • 学会等名
      日本機械学会北陸信越支部2023年合同講演会

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公開日: 2023-12-25  

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