研究課題/領域番号 |
22K03993
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研究機関 | 埼玉大学 |
研究代表者 |
成川 輝真 埼玉大学, 理工学研究科, 准教授 (50424205)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 制動制御 / 小型無人搬送車 / タイヤモデル |
研究実績の概要 |
自動車の急制動システムに関する研究では、タイヤモデルを用いて路面状態を推定し、最大の制動力が得られるように最適な制動制御を行う方法が提案されている。一方、本申請課題では,屋内外の多種多様な路面上を走行する小型無人搬送車を想定しており、小型無人搬送車に用いられるタイヤは小径で形状や構造も自動車と異なる。そのため、自動車のタイヤモデルをそのまま用いるのではなく、小型無人搬送車用タイヤに適したタイヤモデルの作成が必要であり、本年度はタイヤ特性試験装置の設計と小型無人搬送車の設計を行った。小型無人搬送車両の寸法は、スロープやエレベーターなどでの移動も想定して、車椅子を参考に車体幅700mm以下、車体長1200mm以下とし、最大の走行速度は時速15km程度とした。タイヤ特性試験では弾性要素をアクチュエータに直列に配置した直列弾性アクチュエータを用いてタイヤへの荷重を与え、タイヤの周速と移動速度から求まるスリップ率と制動力の関係を得ることでタイヤ特性を推定する方法とした。小型無人搬送車が一定速度で走行した状態から急制動を開始するとタイヤの荷重は短時間で変動する。急制動を行ったときの小型無人搬送車のタイヤの荷重変動を精度よく実現するために、直列弾性アクチュエータの弾性要素の適切なばね定数を探索し、荷重の追従性能について検討することで、小型無人搬送車用タイヤの特性試験装置に適したアクチュエータ特性を明らかにした。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
当初の予定では小型無人搬送車用タイヤモデルを作成するためにタイヤ特性試験装置を製作し、特性試験を実施する予定であったが、現在までにタイヤ特性試験装置は完成していないため、タイヤ特性試験の進捗状況は遅れている。一方で、小型無人搬送車の設計を予定よりも早い時期から着手しており、全体としての進捗状況はやや遅れていると判断した。
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今後の研究の推進方策 |
次年度は、タイヤ特性試験装置を製作し、小型無人搬送車用タイヤの特性試験を行う。そして、小型無人搬送車を製作し、制動制御実験の準備を進める予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
当初予定していたタイヤ特性試験装置の製作に遅れが生じたため次年度使用額が生じた。次年度のタイヤ特性試験装置の製作に使用する計画である。
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